ソフトバンク元社員「役に立ちたくて」 露に情報漏洩、懲役2年求刑


 在日ロシア通商代表部の幹部職員の求めに応じ大手通信会社「ソフトバンク」元社員が機密情報を不正取得したとされる事件で、不正競争防止法違反の罪に問われた元社員、荒木豊被告(48)の初公判が16日、東京地裁(赤松亨太裁判官)で開かれた。荒木被告は起訴内容を認め、検察側は懲役2年、罰金100万円を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は7月9日。

 荒木被告は被告人質問で、ロシア人男性と飲食を重ね「気が合った」と説明。「コンフィデンシャル(秘密)な情報がほしいといわれ、役に立ちたかった。今振り返ると愚かだが、彼と話していて何となく重大なことではないと思った」と述べた。

 検察側は論告で「(日本の)基幹産業である通信事業に関して外国への秘密漏洩(ろうえい)を懸念させた」と指摘。弁護側は、不正取得した情報のみで実害が出ることは考え難いとし、「同社の信頼が抽象的に傷ついたに過ぎない」と訴えた。

 警視庁は5月、荒木被告に機密情報を入手するようそそのかしたとして、在日ロシア通商代表部のアントン・カリニン元代表代理(52)を不正競争防止法違反の教唆容疑で書類送検した。カリニン元代表代理は外交特権を持っており、警視庁の出頭要請に応じないまま送検前に出国した。



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