中印がカシミール地方で衝突、インド軍3人死亡 45年ぶりの死者





高速道路を走るインド軍の護衛車=6月15日、カシミール・ギャンダーボール(ロイター)

 【シンガポール=森浩、北京=三塚聖平】インド北部カシミール地方の係争地で中国軍とインド軍が対峙している問題で、インド軍は16日、双方による衝突が発生し、インド軍の3人が死亡したと明らかにした。インド・メディアによると、双方の衝突で死者が出るのは1975年以来、45年ぶり。中印両国の緊張が高まる可能性がある。

 インド軍の発表によると、衝突があったのは15日夜。インド軍の将校1人、兵士2人が死亡した。中国側にも負傷者が出たという。衝突の経緯は不明で、武器が使用されたかなど詳細は分かっていない。インド軍は双方の間に発砲はなかったとしており、「両軍の高官は状況を沈静化するために話し合いを行っている」と話している。

 中国外務省の趙立堅報道官は16日、衝突について「インドに強く抗議し、厳重な申し入れを行った」と述べた。インドが2度にわたり越境してきたと強調し、「中国の要員に対して挑発や攻撃を行い、双方の部隊による深刻な衝突を引き起こした」と非難した。

 一方で、趙氏は「対話と協議を通じて2国間の関係する問題を解決することで合意した」と説明した。

 両軍は5月5日以降、インド北部ラダックで、事実上の国境である実効支配線(LAC)付近の数カ所でにらみ合いを続けている。今月6日に両軍間の協議が行われ、緊張緩和で合意。一部で撤退に向けた動きが始まったと報じられていた。



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