塩野義製薬は22日、新型コロナウイルスの新たな検査法の実用化に向け、日本大など3大学とライセンス契約の締結に合意したと発表した。専門の技師や検出機器が不要で、唾液などの検体の採取から25分程度で判定が可能になるという。現在用いられているPCR検査と同程度の高い精度で、早期実用化を目指す。
新たな検査法は「革新的核酸増幅法(SATIC法)」と呼ばれ、日本大と東京医科大、群馬大の共同研究チームが開発。95度で約2分間熱した唾液を試薬に入れる検査で、コロナを検出すると色が変わり、目視で感染の有無が確認できる。同社によると、実用化されれば国内初という。
粘液からウイルス特有の遺伝子配列を検知するのはPCR検査と同じだが、専用の装置で遺伝子を増幅する工程が必要ないため、操作が簡単で時間や手間を減らすことができる。
同社は医療機関や海外からの渡航者の検査への活用を想定。具体的な時期は未定だが、「早期実用化を目指す」としている。
唾液を使ったPCR検査キットは、タカラバイオやシスメックスなどが手がける。厚生労働省も唾液を検体に使った検査の実施を今月2日から認めている。