【モスクワ=小野田雄一】来年2月に期限が切れる新戦略兵器削減条約(新START)の延長問題で、米国とロシアは22日、オーストリアの首都ウィーンで高官協議を行った。米国からビリングスリー大統領特使(軍備管理担当)、ロシアからはリャプコフ外務次官が出席した。
協議は非公開で行われた。ビリングスリー氏は協議終了後、ツイッターに「協議は非常に前向きだった。核問題全般に関して詳細に議論した。合意は原則的には次回協議でなされる」と書き込んだ。「(米露間の)作業部会が立ち上がった」とも報告した。
露外務省は「新START延長問題と、中距離核戦力(INF)全廃条約の失効に伴う安定性の保持を含む軍備管理の見通しを協議した」と発表した。
米露間では昨年8月、INF全廃条約が失効し、長距離ミサイルや核弾頭の配備数を制限する新STARTが両国間に残る唯一の軍備管理条約となっている。
ロシアは条約延長を求めているが、米国は中国を含めた3カ国による新たな核軍縮枠組みの構築を提唱。米国はこの日の協議に中国を招待していたが、中国は応じなかった。