日産が新型車発売 軽以外で国内約3年ぶり 再建の切り札に





新型の電動小型SUV「キックス」をオンラインで発表する日産自動車の星野朝子副社長=24日、横浜市(同社提供)
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 日産自動車は24日、国内で軽自動車以外では2年8カ月ぶりとなる新型車として電動スポーツ用多目的車(SUV)「キックス」を30日に発売すると発表した。構造的な収益悪化で大幅赤字となって新型コロナウイルス禍も重なる苦境の中、新型車は再建の鍵を握る。独自のハイブリッド電動技術「eパワー」や前車追従機能「プロパイロット」などを詰め込んで激戦の小型SUV市場に挑み、凋落(ちょうらく)が続く国内販売台数の反転を狙う。

 「日本での主力車。自動運転技術や電動化のリーダーになる」。星野朝子副社長は、横浜市の本社と神奈川県厚木市の開発拠点を結んだオンライン発表会で、キックスによる国内市場再建の意気込みを語った。新型コロナの国内市場影響は「4、5月で落ちたが、急速に戻ってきている。これが続けばもともと計画していた需要に戻ると期待している」との見方を示した。

 キックスは海外では4年前から販売していたが国内では「ジューク」の後継として新発売。タイの工場から輸入し、価格は275万9900円から。

 最大の特徴はeパワーの全車搭載だ。ガソリンエンジンを発電専用としモーターだけで走行する独自技術は、給油だけの「充電いらず」で手ごろな価格ながら電気自動車(EV)の運転感覚が楽しめて好評で、苦境下でも「ノート」と「セレナ」の人気を牽引(けんいん)してきた。3車種目となるキックスでは最大出力を約20%強化し、弱点とされる高速走行を改善。アクセルペダル操作だけで減速可能で運転が楽な「eペダル」もアピールポイントだ。

 日産全体の販売台数は苦境が続く。昨年は軽以外で国内、世界ともホンダに抜かれた。前年同月比では、消費税増税前駆け込み需要を除きほぼマイナスで、10月以降は毎月2桁%の減が続く。

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