【シネマプレビュー】「ランボー ラスト・ブラッド」





「ランボー ラスト・ブラッド」の一場面

 ジョン・ランボーは、ロッキー・バルボアと陰陽をなすシルベスター・スタローンの当たり役だ。そのランボーの新作が12年ぶりにお目見え。

 ベトナムから帰還した元特殊部隊の兵士、ランボーは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しみながら自分のため、あるいは捕虜救出のために闘い続けたが、初登場の「ランボー」から38年。ついにその闘いに終止符を打つ。

 この最終章でランボーは、自分の家族のためにメキシコの人身売買組織と闘う。家族。意外な設定だが、これまでと性格が異なるがゆえに過去作を知らない観客も楽しめる。

 安息の地にたどり着いた孤狼が、非道の組織に憤怒の牙をむく。実にハードボイルドだ。あるいは、任侠(にんきょう)映画の影響もあるのだろうか。クライマックスはランボーならではの戦闘方法だ。シリーズを通じて暴力表現は多いが、この新作についていえば「適切」という表現が正しいか分からないが、過剰ではないといっていいのではないか。

 26日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマなどで全国公開。1時間41分。(健)

★★★★

 (★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)



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