任期満了に伴う日本医師会(日医、会員約17万2千人)の会長選が27日、東京都文京区の日本医師会館で行われ、中川俊男副会長(69)が、現職の横倉義武会長(75)を破り初当選を果たした。任期は2年。医療現場が新型コロナウイルス感染症の対応に追われる中、実施に批判もあった選挙戦で一騎打ちを制した。
中川氏は北海道出身。平成18年に日医の常任理事となり、22年から5期、副会長を務めた。選挙戦では地域医療体制の再構築などを掲げ、支持を集めた。
横倉氏は24年から4期、会長を務めた。新型コロナに関する医療分野の予算確保など実績をアピールしたが、及ばなかった。
会長選を巡っては、横倉氏が一時引退を検討したものの、周囲に慰留され出馬を決めた経緯がある。一本化できなかったことで日医内部に亀裂が入った。中川氏は今後、新型コロナへの対応と内部の関係修復に取り組むこととなる。