日産自動車は29日、横浜市の本社で定時株主総会を開いた。令和2年3月期連結決算は、新型コロナウイルスの影響による販売不振や、巨額の構造改革費用で最終損益が6712億円の赤字に転落。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は業績悪化を謝罪し「必ず成長軌道に戻す。この危機を乗り越えたい」と述べ、株主に理解を求めた。
赤字額は前会長カルロス・ゴーン被告が大規模リストラを実施した平成12年3月期(6843億円)に迫る。内田氏は「株主の皆さまには大変申し訳ない」と陳謝した。業績悪化に伴う株価低迷に関する株主の質問に対し「株価を健全なレベルに戻すことは経営層の使命だ」と強調した。
日産はゴーン被告が進めた拡大路線の反省からインドネシアとスペインの工場を閉鎖する方針で、生産能力を2割減らすほか大幅な人員削減を計画している。