神奈川県は29日、県立の知的障害者施設「中井やまゆり園」(中井町)で、60代の男性職員が入所者の男性をたたくなどの虐待があったと発表した。入所者にけがはなかった。県は検証チームを立ち上げ、原因究明や再発防止に努める。
県によると、職員は5月3日午後6時すぎ、入所者を落ち着かせるためとして、顔を右の拳でたたいたほか、切迫性がないのに首や上半身を押さえ、膝で太もも付近を数回蹴るような行為があった。カメラ映像や聞き取り調査で判明した。
職員は園の調査にたたいたことを認めたものの、「体を寄せただけで蹴っていない。強く押さえたつもりもない」と話している。
中井やまゆり園は定員140人。平成28年に殺傷事件が起きた相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の運営法人との関係はない。