健康に気を使う人は発酵食品を取り入れるなど腸内環境にも気を配っているのではないでしょうか? 実はそうした人ほど陥りやすい、健康上の落とし穴があります。
本記事は、鍼灸師、臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラーであり、YouTubeチャンネル「体質改善を終わらせる方法」を運営する中村ひろき氏の著書『腸から体を変える本』から一部抜粋・再構成してお届けします。
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■謎の不調…原因はまさかの“糖質制限”だった?
腸活という言葉が広く認知されたのは2017年頃。今ではブームにとどまらず、すっかり定着してきた感があります。納豆やヨーグルトなどの発酵食品を積極的に摂ったり、塩麹を取り入れたりと、みなさんも腸活を行ったことが一度はあるのではないでしょうか?
けれど、その一方で発酵食品を食べているけれど、余計にお腹の調子が悪い気がする、ストイックに食材を選び、腸活を意識した食事をしているけれど不調から抜け出せない……という腸活迷子さんも多いのです。
僕のカウンセリングに訪れたクライアントさんの一例をご紹介します。
ある日、初めてカウンセリングに来られた方がいました。食事への意識は非常に高く、栄養学に関する知識も豊富でした。けれど、2年前から続く「お腹の張り」が一向に改善しないとのご相談でした。
1週間の食事記録を見せてもらうと、そこには一見完璧な朝食が並んでいました。オーガニック野菜やオートミールたっぷりのサラダボウル。体に良さそうな物ばかりで、まるで健康雑誌の特集のようでした。
ところが、決定的に足りなかったものが1つ。それが「糖質」でした。なぜ腸にとって糖質が必要なのかというと、腸の修復や調子を整えるのに欠かせない栄養素だからです。糖質=悪というような風潮があるものの、そもそも糖質は五大栄養素の1つで、生命維持に欠かせないものです。
糖質が足りなくなると、エネルギー不足となり、基礎代謝が低下してしまいます。すると、せっかく摂った栄養素を働かせることができなくなってしまうのです。つまり、腸のために栄養を摂っているのに使えない状態です。






