宮城県多賀城市の水道工事を巡る官製談合汚職事件で、加重収賄などの罪に問われた元市水道事業管理者、佐藤敏夫被告（６９）＝懲戒免職＝に仙台地裁は７日、懲役２年、執行猶予３年、追徴金１７万３千円（求刑懲役２年、追徴金１７万３千円）の判決を言い渡した。贈賄などの罪に問われた同市の設備会社元社長、長尾賢一被告（７１）は懲役１年６月、執行猶予３年（求刑懲役１年６月）。
江口和伸裁判長は「佐藤被告は入札の公正を害し、水道事業への信頼を失墜させた。長尾被告は働き掛けて入札予定価格を教えてもらった。いずれも悪質だ」と指摘。一方で賄賂額などを踏まえ、執行猶予付き判決が相当と判断した。
判決などによると、佐藤被告は自宅の整地工事の代金１７万３千円を免除してもらう見返りに昨年９月、工事の予定価格が３８５０万円だと漏洩（ろうえい）。長尾被告は１０月、９９・６％に当たる３８３６万円で落札した。
