リニア会談で静岡県知事「坑口整備は本体工事」 従来主張繰り返す

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会談に臨む川勝平太知事(左)と国土交通省の藤田耕三事務次官=10日、県庁

会談に臨む川勝平太知事(左)と国土交通省の藤田耕三事務次官=10日、県庁

 リニア中央新幹線の静岡工区での準備工事を容認するよう促した国土交通省の提案を受け、静岡県の川勝平太知事は10日、県庁で同省の藤田耕三事務次官と会談し「坑口整備は本体工事の一環だ」と従来の主張を繰り返し、国の提案を受け入れなかった。藤田次官は、今回提案した準備工事について「これまで実施された宿舎工事などと同じで、大井川の水に大きな影響を与えるとは考えにくい」と指摘したが、議論は終始かみ合わずに終わった。

 今回の提案は、リニアの早期整備と自然環境保全の両立を図るため、国が事業計画を認可した立場として調整に乗り出したもの。静岡県とJR東海が大井川の流量減少対策などをめぐる交渉の着地点を見いだせない中、国による提案は事態打開につながる最後の機会との見方が強かった。

 予定時間を大幅に超過する会談で、藤田次官は粘り強く「流域市町と(提案の趣旨の)話をさせていただき、県条例の解釈について事務的に話し合うだけの価値はあるのではないか」と迫った。しかし、川勝知事は従前の主張を繰り返し、昨秋の台風19号や今月の豪雨で工事現場に通じる林道などが被害を受けたことなどを引き合いに「作業員の安全が第一だ」とし、工事に入ることを認めなかった。妥協点を探れなかったことで、令和9年を予定する東京・品川-名古屋間の開業にますます暗雲が漂うことになった。

 国交省の提案によれば、自然環境への影響回避と早期整備の両立に向け、影響が軽微な範囲で県が準備工事を容認し、7月の早い時期に手続きを進めるとしている。一方でJR東海は、有識者会議の議論や必要な手続きを終えるまでトンネル掘削工事には着手しないとなっている。

 静岡工区では現在、3カ所のヤード(作業基地)で宿舎整備などが県の同意を得て進んでいる。JR側はトンネル坑口整備も「本体工事の準備段階の工事」として同意を求めているが、県や流域市町は「坑口周辺の工事は本体工事と一体だ」として認めていない。

 今回の国の提案は、JR東海の「本体工事は行わない」との約束が前提で、流域市町の理解を得られるのではないかとの見方もあった。一方で、同社への不信感から「なし崩しで本体工事に入るのでは」と準備工事容認に反発する市町もあり、川勝知事は難しい判断を迫られていた。

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