【北京春秋】心が浮き立たない夏

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地下鉄を利用する通勤客=7月29日、北京(AP)

地下鉄を利用する通勤客=7月29日、北京(AP)

 「どうするか悩ましいですね」

 最近、北京の日本人駐在員とこんな言葉を交わすことが多い。悩みの種は夏休みだ。例年ならば帰国して久々に家族や親族と会う人が多いだろうが、今年は新型コロナウイルス流行で一変した。日中間の往来は制限されており、一時帰国するのは難しくなっている。

 ならば中国旅行でも楽しむしかないが、それにも面倒がある。中国で国内旅行は感染リスクが低い地域なら問題ないが、ホテルでは7日以内に得たPCR検査の陰性証明書を求められることがある。知人の中国人女性は「車でゆっくりと各地を回りながら実家に帰るつもりだったけれど、証明書のことを考えると難しそうだ」と悩んでいた。

 旅先で感染が急拡大するリスクもある。6月に北京の食品卸売市場で集団感染が発生した際、たまたま北京出張に来ていた上海駐在員の“災難”を耳にした。感染地域には一切近づいていないにもかかわらず、帰宅後に地元当局から隔離やPCR検査を求められたという。

 「こんな状況では休みにならないよ。感染が落ち着いた後にまとまった休暇をもらえないものか」。こんな嘆きともぼやきともつかない言葉を何度か聞いた。

 自分としても家族と遠く離れ、こんなにも心が浮き立たない夏は初めてだ。(三塚聖平)

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