人民元とともに上昇したウォン、15カ月ぶりに1ドル=1150ウォン崩壊


12日のソウル外国為替市場でドル相場は前取引日より6.5ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1146.80ウォンで取引を終えた。
12日のソウル外国為替市場でドル相場は前取引日より6.5ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1146.80ウォンで取引を終えた。

12日のソウル外国為替市場でドル相場は前取引日より6.5ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1146.80ウォンで取引を終えた。取引時間中に相場が1150ウォンを下回ったのは昨年7月1日の1148.9ウォンから1年3カ月ぶりだ。

ウォン高傾向の背景にはドル安と人民元高がある。ドルの価値が下がると新興国通貨のようなリスク資産を好む心理が回復するが、ウォンもこれと似た流れを見せる。また、中国との経済的な関係が深いことからウォンは人民元相場との同調化傾向が大きい。

ドルは来月の大統領選挙を控えた米国でバイデン候補当選の可能性が大きくなり価値が下がっている。バイデン候補が当選すれば財政拡大と低金利基調が続く見通しで、これはドルが市場に放出されドル安要因になる。薄氷が予想されたなら市場には不安心理が作用し安全資産であるドルの需要が大きくなることもあるが、票差が大きくなるとみられそうした効果も現れていない。

人民元は貿易紛争にまで至った米中間の対立が沈静化することが影響を及ぼした。米中貿易紛争はドル高人民元安の要因に挙げられる。中国の景気鈍化の懸念が大きくなり人民元の価値が下がった格好だ。だがトランプ大統領再選の可能性が低くなりこうした懸念が緩和された。

ここに最近中国の景気が回復しているという点も人民元高を後押ししている。中国は国慶節連休の消費が昨年より5%増えるなど良好な景気回復傾向を示している。中国国債が世界国債指数(WGBI)に編入されるなど資本市場開放も拡大している。メリッツ証券のイ・スンフン研究員は「バイデン候補が当選せずトランプ大統領が再選に成功しても人民元高の傾向は続くだろう」とみた。

こうした為替相場の流れは韓国の証券市場には肯定的だ。通常ウォンの価値が上がる時は外国人投資資金が流入する効果が現れる。株式投資を通じたキャピタルゲインに加えウォン投資にともなう為替差益まで期待できるためだ。株式市場を支えた個人投資家が停滞した時に上昇を牽引する次の打者として外国人投資家が登場できるという意味だ。

KB証券のイ・ウンテク研究員は「2017年に韓国総合株価指数(KOSPI)が2600ポイント台に上昇した時も人民元高が伴った。ウォン高傾向は韓国の自主的動力よりはドルと人民元が強い影響を及ぼす」と話した。新韓金融投資のイ・イェシン研究員は「短期速度調節後に追加的なウォン高・人民元高が確認される場合、韓国証券市場に肯定的な要因になるだろう。過去10年間の為替相場区間別外国人需給動向を見ると、ドル相場が1140~1160ウォンの時に外国人資金が買い越しに転じ始め、1120~1140ウォンの範囲で買い越し規模が最も大きかった」と分析した。

ただし少しずつ値が戻ったり、ドル安の動きの強さが以前ほどではないかもしれない。中国人民銀行が速度調節に出る可能性もあり、米大統領選挙後に浮揚策実施が先送りされる恐れもあるためだ。その場合、リスク回避によりドル高が再び現れるかもしれない。人民元やウォンの価値がすでにとても大きく上がっていることから、さらに上がるのにも時間がかかるだろう。KB証券のキム・ヒョジン研究員は「6月以降ドル相場がすでに6.7%下落しただけに今後のウォン高の速度は緩やかになるだろう。1120ウォン水準まで追加でドルが下がるかもしれない」と予想した。



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