ハイニックスと東芝に続きインテルNAND部門…SK会長3回目の半導体魔法?


SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長
SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長

SKハイニックスがインテルのNAND型フラッシュメモリー事業部門を韓国企業の買収合併としては過去最高金額となる10兆3104億ウォンで買収した。これはSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が推進しているグループのビジネスモデル高度化と関連が深い。選択と集中を通じ、育てる事業は確実に育て、市場内で低い地位にあったり相対的にシナジーがあまり出ていない事業の場合は速やかに整理する作業を進めるという意味だ。

崔会長としては半導体市場だけでSKハイニックス買収(株式21.05%、買収価格3兆4267億ウォン)、2018年の東芝メモリー株式買収(15%、約3兆9160億ウォン)に次いで3度目の勝負だ。市場ではいずれも成功したとの評価を受けている。財界ではこれまで実弾が豊富なSKグループが買収合併に積極的に出るだろうという予想が多かった。だが10兆ウォンを上回る過去最大規模の買収合併は財界の観測を超える水準だ。

◇「ファイナンシャルストーリー作ろう」強調

SKグループが20日に明らかにしたところによると、崔会長は最近になり「ファイナンシャルストーリーを作ろう」という話を強調してきた。崔会長はこの単語を6月に開いた2020年拡大経営会議で初めて言及した。崔会長が考えるファイナンシャルストーリーとは、資産効率化など財務の観点を超え、SKグループ系列会社が市場で魅力ある企業になってこそ持続的な成長が可能だという意味だ。こうした魅力があるならば当然財務的な安定も得られる。

◇ESG、選択と集中2つの原則

崔会長はこのため「選択と集中」そして「ESG(環境・社会・支配構造)経営」をSKグループのビジネスモデルを再編する大きな方向性に挙げている。未来世代が共感し呼応しない製品とサービス、そしてこうした製品とサービスを供給する企業は生き残るのが難しいという判断だ。

インテルのNAND型フラッシュメモリー事業部門の買収は代表的な選択と集中戦略だ。NAND型フラッシュメモリーが半導体業界内で相対的に魅力が落ちるとはいえ、業界トップレベルの事業者になればそれだけ得られる利益も大きくなる。SKイノベーションが2030年までに環境に及ぼす肯定的・否定的影響を合わせてゼロにする「グリーンバランス2030」戦略を推進するのは代表的なESG経営だ。

◇ビジネスモデルの再調整加速

SKは半導体事業以外の分野でも選択と集中が活発だ。一例として、SKCは子会社であるSKバイオランドの株式全量を現代HCNに売却し、これで調達された財源はモビリティーなど未来事業に投資することにした。SKCは6月に電気自動車用バッテリーの核心素材である銅箔を作るSKネクシリスに1200億ウォンを投資し、全羅北道井邑(チョンラブクド・チョンウプ)に工場を増設している。3月に815億ウォンを投資する増設計画を発表してから3カ月で下された決定だ。

SKイノベーションもバッテリー分離膜(LIBS)子会社としてSKIEテクノロジーを分離して企業公開(IPO)を推進中だ。すでに3000億ウォンの投資金を誘致した。SKテレコムが最近モビリティー事業部を分割してナビゲーションサービス「Tマップ」を中心にしたモビリティー専門企業化を進めているのも同じ脈絡だ。系列会社別に「添え物」の事業を切り離して別の会社を作り各自の領域に集中するようにし、これを通じ確実に企業価値を認められようとする布石だ。

◇「うまくいきそうな事業に集中」

SKグループ全体として見れば2015年から合計19件の買収合併が行われた。このうち3件は兆単位の「メガディール」だ。選択と集中を通したビジネスモデル再調整は今後も続くだろうというのがグループ内外の見通しだ。21日から3日間にわたり済州(チェジュ)で開かれるSKグループCEOセミナーでも選択と集中を強調するビジネスモデル革新が主に取り上げられる予定だ。SKグループ関係者は「うまくいきそうな事業を選び確実に支援し、シナジーや成長性が低い分野は果敢に整理するという大きな方向性は今後も続くだろう」と話した。



Source link