[ワシントン 10日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は10日、米大統領選の全ての「合法な」票が集計され次第、「トランプ政権2期目」が発足すると述べ、バイデン氏の勝利を認めない立場を示した。
米国の同盟国である英仏を含む外国首脳は既に、大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン氏に祝意を表明しているが、トランプ氏は敗北を認めておらず、根拠を明確にせず選挙で不正があったと主張している。
ポンペオ氏は記者会見で「トランプ政権2期目に円滑に移行するだろう」と主張。その後、「われわれは全ての票を集計する」と語り、「世界は完全に安心して大丈夫だ」とした。
ただ、その後のFOXニュースとのインタビューでは、ポンペオ氏はトーンを弱めた。
ポンペオ氏はインタビューでは「移行が円滑に進むと強く確信している。1月20日正午に誰が大統領に就任しようとも、その人物が必要なツールをすべて手にできるようにし、国民の安全を維持する能力が途切れることのないようにする」とコメントした。
同氏は、会見とインタビューのどちらでも、バイデン氏を次期大統領と認めるような発言はしなかった。
FOXのインタビューで、「トランプ政権2期目」発言は「真面目に言ったものなのか」と聞かれると、ポンペオ氏はどちらとも回答しなかったが、「トランプ政権2期目」を繰り返すこともなかった。
バイデン氏は来年1月20日に就任する予定だが、トランプ氏が法廷闘争を進める構えを崩していないため、遅れが生じる可能性もある。共和党の議員らはトランプ氏には選挙結果を争う権利があるとの立場を取っている。
ポンペオ氏の会見での発言には、民主党から反発の声が上がった。
下院外交委員長のエリオット・エンゲル議員は、国務省はバイデン政権への移行準備を今開始すべきと主張。「ポンペオ長官は先週の選挙の合法性に対する根拠のない危険な攻撃に同調すべきでない」とした。
バイデン氏はポンペオ氏の発言について問われると、笑みを浮かべた。また、政権移行は止めることができないと述べた。
ポンペオ氏は、トランプ氏が敗北を認めないことが、国務省の海外での自由で公正な選挙への働き掛けを阻害しないかとの質問に対し、「全世界で安全、自由、公正な選挙が行われることに同省は強い関心があり、その徹底を図っている」と答えた。
ポンペオ氏は今月13─23日に大統領選後初の外遊が予定されており、フランス、トルコ、ジョージア(グルジア)、イスラエル、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアを訪れる見通し。
*FOXニュースとのインタビューを追加しました。
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