米モデルナが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)は15日、安全かつ94%の有効性が認められたとする報告書を発表した。同ワクチンは緊急使用の承認へと近づいた。
同ワクチンは、アメリカで使用が認められる2種類目のワクチンとなる見通しとなった。
アメリカでは前日の14日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの接種が各地で始まった。
米ジョンズ・ホプキンス大学によると、同国の新型ウイルスの死者は30万人を超えている(日本時間16日午前)。
FDAは17日の会議で、緊急使用について協議する。
BBCのミシェル・ロバーツ保健担当編集長は、新型ウイルスの感染者と死者が世界最多のアメリカにとって、同国で2例目となるワクチン使用許可が出ることは大きな意味があると解説した。
■報告書の内容
54ページにわたるFDAの報告書は、モデルナのワクチンについて、「特段の安全上の懸念はない」とし、深刻な副反応はまれだとした。
専門家チームとFDAのワクチン担当トップが承認すれば、24時間以内に輸送が開始される。
FDAは報告書で、3万人が参加した臨床試験において94.1%の有効性が確認されたとした。
典型的な副反応としては、発熱、頭痛、筋肉や関節の痛みを挙げた。
FDAは先週、ファイザーのワクチンについても同様のデータを発表。その後、使用許可をめぐって採決した。
モデルナは2010年設立。これまでFDAに承認された製品を製造したことはない。
同社の株価は今年、700%近く上昇している。
■ファイザー製とどう違う?
モデルナのワクチンは輸送の際、零下20度前後での保管が必要だ。これは一般的な冷凍庫内の温度にあたる。
一方、ファイザーのワクチンは、零下75度近くで保管する必要がある。そのため輸送に困難が生じる。
2回の接種が必要なのは、どちらのワクチンも同じだ。モデルナのものは、1回目から28日置いて2回目の接種をする。
モデルナはマサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く。使用許可が出れば、ワクチンは「大部分を」同所で製造するとしている。
ファイザーは、ドイツやベルギーなど数カ国でワクチンを製造している。
■モデルナ製を発注している国は?
アメリカはモデルナのワクチンを2億回分購入している。FDAが許可し次第、600万回分を出荷する準備があるとしている。
カナダは来年3月までに、モデルナのワクチン200万回分をまず手に入れる予定。合計では5600万回分を入手する。ジャスティン・トルドー首相は15日、年末までに16万8000回分を接種できるとの見通しを示した。
イギリスはすでに700万回分のモデルナ製ワクチンを事前注文している。
欧州連合(EU)は先月、同ワクチンの安全性と有効性が確認された場合、8000万回分を購入する契約を発表した。最大8000万回分の追加購入も契約に含まれている。
英デューク大学によると、日本はモデルナのワクチンを5000万回分、韓国は2000万回分、スイスは750万回分、それぞれ購入する契約を結んでいる。
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(英語記事 Second Covid vaccine nears US approval)