韓経:中国発の「プラスチック戦争」始まった…パニックに直面した韓国の化学業界


韓国の化学業界が中国発の「プラスチック戦争」でパニックとなった。中国政府が新年に入り主要都市で使い捨てプラスチック製品の使用を全面禁止したためだ。昨年の新型コロナウイルスの余波で使い捨て用品の需要が増え好況を迎えた韓国の化学企業も打撃を受けかねないとの見方が出ている。

◇プラスチック製品価格下がるか

24日の化学業界によると、中国政府は今月1日から各省都と直轄市を対象に使い捨てプラスチック食器とビニール袋、宅配ビニール包装を全面禁止した。違反時は最大10万元(約160万円)の罰金が科される。プラスチック汚染を減らすために出した強力な対策だ。現地食品メーカーと大型スーパーは使い捨てプラスチックとビニールの使用を一斉に中断した。配達業者もビニール容器に代わる親環境包装材料を出している。

今回の措置により韓国の石油化学企業もパニックとなった。使い捨てプラスチック需要が急減しプラスチックを生産する韓国の化学企業も連鎖打撃を受けるという観測が提起される。中国は世界1位プラスチック生産国であり消費国だ。中国は2000年代後半から大規模増設を通じてプラスチック自給率を高めているが韓国企業の対中依存度は依然として高い方だ。

化学業界関係者は「韓国企業は使い捨てプラスチックなど汎用製品よりは高付加価値製品素材に注力している。すぐに直接被害を受ける可能性は低い」と指摘した。ただ長期的には需要減少にともなう製品価格下落は避けられないとの見方も出ている。中国の使い捨てプラスチック使用禁止は2026年には中国全域に拡大される。使い捨てプラスチックの基礎素材として主に使われるポリ塩化ビニール(PVC)、ポリオレフィン(PO)などの製品価格が下落するとの見通しも出ている。昨年の新型コロナウイルスの余波により中国国内で使い捨て用品の使用が急増して発生した「コロナ特需」が消えるという意味だ。

◇生分解するプラスチック開発に「死活」

韓国の業界は中国の政策変化がプラスチックの未来を左右する決定的契機になるとみている。韓国化学企業のバイオプラスチック開発速度が今後の生き残りを左右するという見方も提起される。バイオプラスチックは植物などバイオマスを原料にしたり微生物などを活用して作る。既存の石油基盤プラスチックが生分解されるのに500年以上かかるのと違い、6カ月~1年で完全に生分解される。

韓国の大企業は最近になり相次いでバイオプラスチック投資計画を立てている。2012年に韓国で初めてサトウキビなど植物性原料を基盤とするバイオペット開発に成功したロッテケミカルは、バイオペット市場拡大に注力している。バイオペットの年間販売量は2017年の101トンから2019年には1528トンに増加した。昨年1月から9月までの販売量は1487トンに達する。年間では2000トンに迫ると推定される。

SKCは昨年5月に韓国政府主管のバイオプラスチック製品化と実証事業に参加した。今年は高強度バイオプラスチックであるPBATの本格量産を成功させる計画だ。昨年世界で初めて生分解する単一素材プラスチック開発に成功したLG化学は2025年の商用化を目標に技術開発を進めている。これまでは生分解性を強化するには添加剤を混ぜなければならなかったが、LG化学は単一素材だけでも合成樹脂と同じ機能を持たせるのに成功した。CJ第一製糖も今年インドネシアに年間5000トン規模のバイオプラスチックであるPHA大量生産体制を構築する計画だ。PHAは海水で100%生分解されるエコ素材だ。

三養(サムヤン)グループ系列の三養イノケムは下半期にバイオプラスチック原料物質であるイソソルビド工場の増設を終える計画だ。ハンファソリューションのケミカル部門も15日にエネルギー技術研究院と業務協約を結びバイオプラスチック開発で協力することにした。



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