鄭相永KCC名誉会長が死去…汎現代一家の第1世代経営幕下ろす


鄭相永KCCグループ名誉会長。[中央フォト]
鄭相永KCCグループ名誉会長。[中央フォト]

KCCグループの鄭相永(チョン・サンヨン)名誉会長が30日に死去した。85歳だった。鄭名誉会長は「王会長」と呼ばれる鄭周永(チョン・ジュヨン)現代グループ名誉会長(1915~2001)の末の弟だ。名前に「永」の字が含まれる現代一族の創業世代最後の1人が他界したことで、汎現代グループの第1世代による経営時代は幕を下ろすことになった。

鄭名誉会長は鄭周永名誉会長、鄭仁永(チョン・イニョン)漢拏(ハンラ)グループ名誉会長(1920~2006)、鄭順永(チョン・スンヨン)星宇(ソンウ)グループ名誉会長(1922~2005)、鄭世永(チョン・セヨン)現代産業開発名誉会長(1928~2005)、鄭信永(チョン・シニョン)東亜日報記者(1931~62)の5人の兄と、姉の鄭熙永(チョン・ヒヨン)韓国フランジ名誉会長(1925~2015)がいた。

1936年に江原道通川(カンウォンド・トンチョン)で生まれた鄭名誉会長は、韓国財界で創業者としては珍しく60年以上にわたり経営の第一線に身を置き、韓国の企業家で最も長く経営現場を守ってきた1人だ。58年にKCCの前身となる屋根・天井用のスレートを作る金剛スレート工業を創業した。当時自動車と土建事業をしていた長兄の鄭周永氏が海外留学を勧めたが、鄭名誉会長は戦争の廃虚の中で建築資材事業に飛び込むことを選んだ。その後KCCを窓サッシ、ガラス、石膏ボード、断熱材、床材などを生産するグローバル企業に成長させた。

重化学工業が急成長した70~80年代は事業拡張の機会となった。74年にペンキとエナメルなど塗料事業を育成するために高麗化学を設立し、建築用だけでなく自動車・船舶用塗料を生産し始めた。76年には社名を金剛に変え、韓国最大の総合建築資材会社になった。建築資材事業とのシナジー拡大に向け89年に建設会社である金剛総合建設(現KCC建設)と金剛レジャーなどを設立した。金剛と高麗化学はその後の合併を経て2005年に現在のKCCになった。

多方面にわたり事業を育てるよりは、手持ちの事業に集中する経営哲学は核心技術の国産化につながった。87年には韓国で初めてDRAMメモリー半導体をメインボードに付けるのに使われる接着剤を開発した。96年には水で薄めて使える水溶性自動車塗料の独自技術を確保した。2003年には海外から全量を輸入していたシリコン原料のひとつであるモノマーを直接生産した。韓国をドイツ、フランス、米国、日本、ロシア、中国に続くシリコン製造技術を持つ7番目の国にした。

KCC関係者は、「鄭名誉会長は産業報国の精神で韓国の経済成長とその軌を一にして現場を重視した経営者だった。建築・産業資材の国産化に向け外国に依存した塗料とシリコンを独自開発し、途轍もない輸入代替効果を収めた功労は大きい」と話した。鄭名誉会長は普段から役員社員に主人意識と正しい経営を強調し自ら模範を見せた経営者として知られている。特に母校である竜山(ヨンサン)高校と東国(トングク)大学などに私財数百億ウォンを寄付し、人材育成にも力を入れた。

遺族には妻のチョ・ウンジュさんと三人の息子がいる。KCCグループ総括経営は長男の鄭夢鎮(チョン・モンジン)会長(61)が、KCCグラスは二男の鄭夢益(チョン・モンイク)会長(59)が、KCC建設は三男の鄭夢烈(チョン・モンヨル)会長(57)がそれぞれ務めている。KCC関係者は「葬儀は鄭名誉会長の意向により最大限静かで簡素に行う予定。具体的な日程は外部に伝えないことにしたことを理解してほしい」と明らかにした。



Source link