クロード・モネ『名もなき池』1919~1920年。[写真 国立現代美術館]
国立現代美術館のユン・ボムモ館長は「歴史に比べて所蔵品が少ない国家美術館の立場で美術史的に重要な作品の寄贈を受けて感激だ」とし「芸術的に国の品格を高めることであり、遺族たちが大きな決心で国民に大きな贈り物を与えた」と話した。また、「このような水準のコレクションが国の美術館に入ることをを私の人生で2度と見ることができないだろう」とし、「その見返りで国立現代美術館は保存と研究、展示の責務にすべての力を注ぐだろう」と説明した。国立現代美術館は69年開館以来、今回の寄贈品を含んで計1万200点の作品を所有することになった。この中で5400点余りが寄贈品だが、今回の1400点余りは過去最大規模だ。
ガーナアート・ソウルオークションのイ・ホジェ会長は「李健熙会長の美術品の購入に対する関心と情熱、大きな功労も記録されるべきだ」とし、「後ほどお金になるかというのは悩みの対象ではなかったし、人々が後でそれを見る価値があるかを念頭に置いた」とした。さらに、「作品購入に関する会議は4~8時間にわたって行われ、いつも緻密な勉強で会議を緊張させた方」と振り返った。
「李健熙コレクション」の寄贈を文化芸術界は大きく歓迎している。優れた美術品の海外流出を防ぎ、国公立機関所蔵品の水準を大きく高めることになったという点からだ。韓国芸術総合学校のヤン・ジョンム教授は「今回の寄贈でサムスン家は『韓国のメディチ家』という光栄なタイトルをしばらく享受することになるだろう」と話した。また「今回の寄贈はわが文化芸術界が受けた大きな贈り物であると同時に、挑戦になるだろう」とし、「質的や量的に前例のない規模の寄贈をどのように発展させていくか重い課題を抱え込むようになった」と話した。
今回をきっかけに認識の転換と制度整備が必要だという声もある。国立現代美術館のチョン・ジュンモ前学芸室長は「何より美術品の収集を眺めるわが社会の歪曲された見解が校正されるべきだ」とし、「李健熙コレクションのような規模ではないが、今まで多くの方々が所蔵品を寄贈してきた。ところが、われわれがこの寄贈を受けた作品をどのように優遇してきたのかを振り返るべきだ」と話した。
今回の寄贈品は6月から国民に公開される。国立中央博物館は6月「故李健熙会長所蔵文化財特別公開展」(仮題)、来年10月に代表的な名品を選別公開する「故李健熙会長所蔵文化財名品展」(仮題)を開く。国立現代美術館は8月ソウル館「故李健熙会長所蔵名品展」を皮切りに、9月果川(クァチョン)、来年清州(チョンジュ)などで特別展・常設展を開催する。地方の公立美術館・海外の主な美術館巡回展も開催する。
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