シンガポールの流通チェーン店フェアプライスで消費者がフルーツ味の焼酎をチェックしている。[写真 ハイト真露]
韓国人と切っても切れない関係の焼酎は今年初めにプライドを大きく傷つけられた。農林畜産食品部が外国人8000人を対象にしたアンケート調査で、焼酎など韓国の酒が「外国人が最も嫌いな韓国食品」に挙げられたためだ。「外国人がワインやウイスキーに比べ味も香りもない焼酎を嫌うのは当然だ」という反応が出てきた。酒類業界がこれまで海外現地人を狙った焼酎輸出に躊躇してきたこともこうした感情を懸念しているからだ。
だがハイト真露は違った。外国人が焼酎を好きになる方法を考えてきた。そうして見つけた答がフルーツ味の焼酎だった。2015年ごろに韓国国内でも大人気を呼んだグレープフルーツ味の焼酎などフルーツ味の焼酎は最近東南アジア市場で人気を呼んでいる。韓国料理店だけで売られていた焼酎のマレーシアでの現地人の飲用率は2016年の24.5%から昨年は82.7%まで上がった。焼酎10本が売れたならそのうち8本は現地人が買ったという話だ。
◇新型コロナウイルスでも韓国食品の輸出過去最大
韓国食品が海外市場で快進撃を見せている。BTS(防弾少年団)などが牽引するK-POPだけでなく、韓国ドラマや映画が海外で人気を呼び、韓国食品に対する関心も大きく高まっている。キムチとプルコギ、ビビンバなど伝統的な食品を超え、最近ではトッポッキやフライドチキンなど海外で人気の料理の種類も次第に多様化している。
関税庁によると、昨年の韓国食品輸出額は42億8000万ドルで過去最高を更新した。新型コロナウイルスという悪材料にも前年の37億3000万ドルから輸出額が14.7%増加した。今年も輸出好調傾向が続いている。4月までの韓国食品輸出額は15億9000万ドルに達する。今年は史上初めて年間5兆ウォンを超えると期待される。
専門家らは韓国食品の成功の背景に韓国文化の興行を挙げる。海外に韓国文化が伝わり韓国料理と食文化に対する関心も高まったという説明だ。世界的なトップスターに成長したアイドル歌手が韓国の食文化の伝導師役をしたりもした。BTSがトッポッキを食べる写真がソーシャルメディアを通じて広がると、海外ファンの間でトッポッキを食べ証拠写真を残すのが流行のように広がった。カンヌ映画祭でパルムドールを受賞し韓国映画の位置付けを知らせた映画『パラサイト』は海外市場に「チャパグリ」ブームを巻き起こした。
◇「現地化」武器に海外市場を積極的に攻略
韓国の食品企業は韓国文化を背に海外市場を積極攻略している。武器は現地化だ。食品企業の大象(テサン)は韓国ではごはんのおかずとして食べるのりをインドネシアではお菓子にして現地ののり市場でシェアを63%まで引き上げた。さまざまな調味料を添加し、手軽に食べられるよう小分け包装した戦略が通じたと分析される。
東遠(トンウォン)F&Bは韓国人の食卓で最もなじみのあるおかずであるキムチとツナを組み合わせたツナ缶「東遠キムチツナ」で東南アジア市場に進出する。ハラル認証も準備している。
海外で人気になる韓国食品も次第に多様化している。過去にはキムチとプルコギが韓国食品を牽引したとすれば最近の韓国食品の主人公はトッポッキとフライドチキンなどだ。これに力づけられフランチャイズ企業も海外市場を広げている。トッポッキとフライドチキンなどをメインメニューとして販売するフランチャイズのチキンプラスは2018年のマレーシアを始まりにベトナムと中国、日本などに進出し加盟契約を結んだ。