「労使対立で工場の稼働停止が繰り返されれば韓国GMは非常に不利になるだろう」。
ゼネラルモーターズ本社の役員ドニク・マクドウェル労使関係総括副社長が韓国GM労働組合指導部の面前で「世界40カ所のGM工場が物量を確保しようと激しく競争している」と強調した。
自動車業界によると、GMの役員らは11日、米デトロイト本社で韓国GM労使代表と面談し、苦言を繰り返した。役員らの共通した憂慮は「不安定な労使関係が韓国GMの仕事を終わらせることもある」だった。
ジェラルド・ジョンソン・グローバル生産総括副社長は「本社は韓国GMに長期投資を決定するための良い証拠を探している」とし「特に『韓国GMに労使協力が存在する』という証拠があってこそ確信を持って投資できる」と伝えた。ジョンソン副社長は米国・メキシコ・韓国工場の労使関係の比較もした。毎年の賃金および団体協約交渉過程でストライキを繰り返すところは韓国しかないという指摘だ。
ペレズ・グローバル生産戦略企画総括責任役員は「韓国工場はメキシコ工場と比べて人件費が高く、ストライキが多く、生産に関する確信を与えていないのが現実」と指摘した。続いて「以前はストライキのために生産損失が発生すれば回復するという慣例が世界的にあったが、今では生産への支障が最初から発生しないようにするのが基本になった」と述べた。スティーブ・キーファーGM首席副社長は「韓国GMの労働組合関係者らが(労使関係が安定した)メキシコのシラオ工場を見て何を感じたのか気になる」と尋ねたりもした。
本社の役員の攻勢に対し、韓国GM労働組合指導部は「電気自動車を韓国工場に配分してほしい」という言葉ばかり繰り返した。電気自動車が配分されれば協力的な労使関係を構築できるという主張だ。業界では韓国GM労働組合の要求に「矛盾した主張」という指摘が出ている。安定した労使関係が構築されてこそGM本社が新しい物量配分を検討できるということだ。
業界関係者は「世界各地の工場が電気自動車の物量を受けようと努力している中、韓国GMの労働組合は労使関係安定のために電気自動車を要求している」とし「こうした状況が繰り返されれば本社はむしろ韓国への配分物量をさらに減らすかもしれない」と懸念した。
韓国GM労働組合のキム・ソンガプ委員長をはじめとする労働組合指導部3人とカハー・カゼム韓国GM社長らは6日から1週間、メキシコ・シラオ工場と米国のGM本社を訪問した。シラオは韓国GMと次世代モデルの物量配分をめぐり競争する代表的な工場だ。この工場の労働組合は26年間、ストライキを一度もせず安定した労使関係を構築した。一方、韓国GM労働組合は昨年もストライキを行った。