サムスン電子の業績はサプライズ、株価は振るわず


サムスン電子
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サムスン電子が7日、4-6月期のサプライズ業績を発表した。市場の予想を1兆5000億ウォン(約1455億円)以上上回る12兆ウォン台の営業利益を出した。2018年7-9月期以降11四半期ぶりの好業績だ。売上高もやはり4-6月期基準で過去最大を記録した。半導体が業績を牽引した。サプライズ業績にもサムスン電子の株価はむしろ下がっており、8万ウォン台をかろうじて守っている。7-9月期の業績見通しは期待と懸念が重なる。

この日サムスン電子が公示した4-6月期の業績速報値で、売上高は前年同期比18.94%増の63兆ウォン、営業利益は53.37%増の12兆5000億ウォンを記録した。1-3月期と比べ売り上げは65兆3885億ウォンから3.65%減少したが、営業利益は9兆3829億ウォンから33.26%増えた。証券業界のコンセンサス(平均展望値、金融情報会社Fnガイド6日基準)は売上61兆2813億ウォン、営業利益10兆9741億ウォンだった。

業績速報値では部門別の数値を明らかにしていないが、半導体(DS)部門が業績を牽引したということに異見はない。DRAM価格が上がったほか、生産支障をきたした米オースティン工場の正常化により損失が減り、7兆ウォンを超える営業利益を収めたと推定される。ハイ投資証券のソン・ミョンソプ研究員は「DRAMとNAND部門の出荷増加率が予想を大幅に上回ったと判断される」と話した。サムスン電子関係者は「サーバー用メモリー半導体の市況が良く、半導体価格も上がり続けたおかげ」と話した。

IT・モバイル(IM)部門は部品供給不足とスマートフォンのフラッグシップモデルの販売台数不振で業績が小幅に下落したというのが証券業界の観測だ。有進投資証券のイ・スンウ研究員は「新型コロナウイルスの影響でインドのスマートフォン市場需要が減り、ベトナム工場の生産支障などによりスマートフォン出荷が減少した」と分析した。

家電(CE)部門もやはりテレビ販売などが減り売り上げが前四半期より小幅に減少したとみられる。ディスプレー(DP)部門は液晶パネル価格の上昇とアップルなど顧客の単発補償金が反映され6000億~9000億ウォンの営業利益を上げたものと市場ではみている。

この日サムスン電子の株価は前日より0.49%下落した8万800ウォンで取引を終えた。8万ウォン台をどうにか守った。昨年10月末には5万6600ウォンだったが、2カ月間で約60%上がり、今年1月11日には9万1000ウォンを記録し、一時は10万ウォン超えへの期待感も育てた。

サムスン電子の株価不振の裏には外国人投資家がいる。上半期に外国人投資家はサムスン電子普通株を11兆3244億ウォン、優先株を3兆6657億ウォン、合わせて15兆ウォン相当を売り越した。同じ期間のKOSPIの外国人売り越し額の85%をサムスン電子(優先株含む)が占めた。

サムスン電子の7-9月期の業績見通しもやはり概ね明るいが、こうした点が株価につながるか関心が傾く。Fnガイドはサムスン電子の7-9月期の売り上げを前年同期比5.19%増の70兆4378億ウォン、営業利益は17.62%増の14兆5303億ウォンと予想する。半導体部門はDRAMとNAND型フラッシュの価格上昇が続き、サーバー用の販売が増加して7-9月期も好業績が予想される。

半導体供給不足がカギだ。半導体が足りずIT機器の生産に影響が出ておりメモリー半導体需要が減少する悪循環に陥る可能性もある。ソン・ミョンソプ研究員は「半導体部門は前四半期の出荷量急増にともなう逆ベース効果によりDRAMとNAND型フラッシュの出荷量増加率が前四半期と同水準で維持されるか小幅の増加にとどまるだろう」と予想する。

スマートフォン事業は8月に新作の折りたたみ式スマホと「ギャラクシーS21FE」の発売で平均販売単価が改善されるものとみられる。やはり部品難で出荷が減るかどうかがカギだ。家電部門もやはり部品需給難などで出荷量が減る可能性がある。



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