新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)第4波で下半期の経済に「赤信号」が灯った。韓国政府が自信を持っていた今年4.2%の経済成長率目標も揺れている。最悪の場合、今年7-9月期の経済が逆成長するかもしれないという展望まで出ている。
先月だけでも今年下半期の景気展望は「晴れ」だった。輸出景気ははっきりとした回復傾向に入っていたことから、下半期の内需景気もこれと歩調を合わせるだろうという期待が大きかった。第4波前の5月、韓国銀行は国内総生産(GDP)の前年同期比上昇率を今年上半期3.7%、下半期4.2%とそれぞれ予想した。上半期よりも下半期に景気がいち早く回復し、年間では4%の経済成長率を記録すると見通した。
国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)も5月に「経済展望」報告書を通じて今年上半期(3.7%)よりも下半期の経済成長率(3.9%)のほうを高く予想した。年率では4%に近い3.8%を展望した。
だが、今月から強打した第4波は従来の予測を揺さぶっている。18日午前0時、中央防疫対策本部が集計した新型コロナ新規感染者数は1454人。今月7日以降、12日連続で感染者数が1000人を超えた。週末基準の最多人員をこの日記録した。12日、首都圏に続いて19日非首都圏でも強化された社会的距離確保措置が実施されているが、早期に収まるとは言い切れない。首都圏から触発された第4波がすでに非首都圏への広がりを見せ始めたためだ。休暇シーズンを迎えて増える人口移動も危険要因だ。
下半期の景気回復は内需が牽引(けんいん)するだろうという期待が高かった。KDIは今年上半期1.2%にとどまった民間消費増加率(前年比)が下半期3.8%に上昇し、景気回復を主導すると予想した。韓銀も民間消費増加率が上半期1%から下半期4%に跳ね上がると予想した。
ところが第4波で「内需が息を吹き返す」という基本前提から崩れる危機に直面している。強力な集合禁止・制限措置が施行され、内需景気に再び寒波が押し寄せている。夏休みシーズンを前後した「トラベルバブル」、リベンジ消費の期待も吹き飛ぶような雰囲気だ。33兆ウォン(約3兆1600億円)以上の規模が予想される今年2次補正予算案も距離確保の強化で執行時期が遅れて効果の半減も避けられない。
最悪の場合、7-9月期のGDP成長率がマイナスに転落する可能性があるとの展望も出ている。KDIのチョン・ギュチョル経済展望室長は「新型コロナの拡大によって(経済展望に対する)不確実性が高まった」と話した。チョン室長は「もし第4波を来月初めまでにうまく抑制することができれば一時的な景気鈍化にとどまり8~9月に再び回復傾向に転じるかもしれないが、そうではない高い段階の社会的距離確保措置が続くなら、7-9月期に経済が逆成長する可能性がある」と観測した。
12日連続で新規感染者数が1000人を超えるなど兆しは良くない。韓国政府が目標にした今年4%成長目標を達成するための前提条件を満たすことも並大抵のことではない。
先月韓銀は今年1-3月期GDP成長率を前期比1.7%と暫定発表した。4-6月期以降の四半期別成長率が0.6%台後半以上(前四半期比)を記録するなら、今年年間で4%台の成長が可能だという予想も付け加えた。逆に第4波を早期に収めることができず7-9月期以降の成長率が0%台序盤またはマイナスに転じるなら、年間4%成長は不可能だという診断も可能だ。
今年4.2%成長率目標を提示した企画財政部も楽観論を徐々に畳む雰囲気だ。16日、同部は「最近の経済動向」(グリーンブック)で「対外的には主要国を中心にグローバル景気回復の期待が続いているが、インフレーション(高物価)の懸念が持続する中で変異株ウイルスなどで新型コロナ拡大傾向が再び大きくなった」とし「内需関連の不確実性が高まる可能性がある」と診断した。