韓国の卒業アルバムが日本ネタに溢れていると目撃者が暴露して日本の文化的影響力の強さを証明

韓国「高校生たちの卒業アルバム」が話題に!

韓国も日本も新型コロナの感染拡大が続く中、夏休み明けの新学期を前に学校生活も様々な困難に直面し、対応に追われていた。

 やはり、韓国でも一年以上にわたって、登校とオンライン授業を行うなど試行錯誤をしながら進めていたものの、長引くコロナ禍で学校生活が滞っていることによる学力や士気の低下が指摘され、問題視されている。仕方がない状況とはいえど、学校生活に多くの制限が加えられ、時間が奪われていることに心を痛めている親も多い。

 そんな気が滅入りそうな状況の中で、いま韓国では“ある高校の生徒たちの卒業アルバム”が話題を呼んでいる。

 韓国・ソウル市の北部に位置する議政府(ウィジョンブ)市は人口46万人を抱えるソウルのベッドタウンとして発展を遂げてきた。

 北朝鮮と近いことから朝鮮戦争時には激戦地となったことでも知られるほか、米軍など軍事関連施設が多いのも特徴である。

 その議政府市にある議政府高校は1974年に開校した公立男子校で、在学生徒数は1,000人を超す。以前より、卒業アルバムの撮影は恒例行事であったが、2009年に議政府高校の一部の生徒が「思い出作りのために」ということで派手な変装をし、その姿がオンライン上で注目を集めたことがきっかけとなり、「卒業アルバムと言えば議政府高校」と言われるほどに、いまや名物となっている。

 また、韓国各地の高校でもこれに習うようにユニークな卒業アルバムの製作が徐々に広がっていった。

過去最悪「日韓対立」だけど

韓国の卒業アルバムが日本ネタに溢れていると目撃者が暴露して日本の文化的影響力の強さを証明

韓国では、部活動や文化祭のような課外活動や学校行事が盛んであるとは言い難いうえ、このコロナ禍で昨年、今年度と修学旅行や発表会といった学校行事は縮小または全面的な見送りとなっている。

 学生たちにとって、学校や日常生活に於いて数々の制限を加えられ、2年間という貴重な時間を奪われていることはとても苦しいことであろう。そうした中でも、学生たちが高校生活の思い出を残そうと、卒業アルバムで見せる姿からは流行や社会風刺など様々なものが見えてくる。

 8月19日に議政府高校の卒業アルバムの一部がネットで公開されると、今年もやはり注目が集まり、複数のメディアがこの様子を伝えた。今年は東京オリンピックや新型コロナを表現したものが多く見られた。

 東京オリンピックからは開会式で話題となったピクトグラムを初め、金メダルを獲得した男子アーチェリーのキム・ジェドク選手や男子柔道の銅メダルのアン・チャンリム選手、女子卓球のシン・ユビン選手や、野球代表チームで試合中にベンチでガムを噛む姿が非難を受けたカン・ベクホ選手を真似たものまであった。

 韓国では東京五輪をめぐって、文在寅大統領が訪日するしないと騒動になったり、それがボイコット運動に発展したりとさながら“反日キャンペーン”が展開されていたが、高校生たちはそんな“大人の事情”とは無関係にしっかり東京オリンピックを観戦していたことがうかがえる。

鬼滅の刃、名探偵コナン、ニャンコ大戦争

日本のアニメやゲームに関連したものも多く、やはりその人気を証明しているのが「鬼滅の刃」であり、竃門炭治郎、吾妻善逸、煉獄杏寿郎、猗窩座(あかざ)に扮した4人組が様々なポーズで映っているものもあった。

 このほかには、「名探偵コナン」の黒羽快斗こと快盗キッドや、「クレヨンしんちゃん」に登場する珠由良(たまゆら)ブラザーズ、ゲームでは「ニャンコ大戦争」のキャラクターやダンボールで作ったNintendo Switchの本体に扮した生徒や、映画「呪怨」シリーズの「白い男の子」として知られる俊雄までいた。

 昨今、何かと難クセをつけられがちな“日本ネタ”でも、このように親しまれていることや実に幅広いチョイスには驚かされるとともに嬉しくもある。

 そして、全身防護服に身を包みPCR検査を行う検査員の姿もあるなど「新型コロナ」に関連したものが多く目につき、現在を象徴しているといえる。なお、今年ではないものの2018年の卒業アルバムには何と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)のそっくりさんの生徒が人民服を着て映っている姿もあった。板門店で南北首脳会談が行われ、当時は友好的なムードであったことが背景にあったのだろう。

 過去最悪とも言われる日韓関係や、韓国で政治ネタを公の場ですることは敬遠される状況を鑑みると、どうしても「日本のキャラクターなんかを真似て大丈夫なのか?」「政治的なネタはNGなのではないか?」という疑問も浮かぶが、政治ネタこそ控えめになっているようだが、見てきたように“親日ぶり”を示すように日本のキャラクターは満載だったといえる。

世相を映す鏡
 韓国では現在、与党が「メディア懲罰法案」の成立を目指していて物議をかもしている。

 こうしたことで、一般でもますます政治に言及することはタブーという雰囲気が広まり、高校生たちにまで影響を及ばさないことを願うところである。

 いずれにしても早速、話題のネタを卒業アルバムに取り入れてしまうあたりはさすが若者達の目の付け所は鋭いというところ。そして、卒業アルバムとは「世相を映し出す鏡」のようにも思える。

 議政府高校に限らず、韓国の学校の卒業アルバムは生徒個人の写真とクラスごとの集合写真に加えて議政府高校のようなゆるい雰囲気のページというものがあり、グループでお揃いの服や変装をしたり、各自、思い思いの表情や決めポーズで写真を撮ったりする。

 今年は東京オリンピックや新型コロナといった内容が多く盛り込まれていたように、過去にはバンクーバーオリンピックの女子フィギュアスケートで金メダルを獲得したキム・ヨナ選手が「007」をテーマにしたショートプログラムでピストルを構えるようなポーズを決めた際には、そのポーズを取って写真に映る生徒が多かったことを記憶している。

 また、この10年ではやはり、BTSやTwiceなどK-POPスターを意識したものが増え、その時々の時事やファッション、芸能の流行などがよく反映されているのを見ると面白い。

韓国高校生たちの「リアル」

政治の現場では文在寅大統領が反日キャンペーンさながらに日韓対立を煽り、五輪の最中にもさまざまな反日活動が展開されたことは記憶に新しい。

 そこへきて世の中全体がコロナ禍で暗くなり、もがき続けている中で、高校生の彼らが卒業アルバム製作に全力で取り組んで楽しそうにしている姿。それを見て笑いがこぼれてしまい、こちらまで元気づけられるような気分になる。

 まだまだ先が見通せず不安な世の中であるが、日本も韓国も若者達がコロナ禍を乗り越えた先に明るい未来が来ることを祈らずにはいられない。

全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/69202924a31783d61469a0827cd13fae2a82af84?page=1