写真:アフロ
まん延防止等重点措置が解除され、ゴールデンウイークも間近。コロナ禍でも密を避けられる…と、人気のキャンプに行く人も少なくないだろう。
欠かせないのはキャンプ用ナイフだが、思わぬケースで警察から取り締まりを受けることも…。「銃刀法」の注意点について、警視庁に聞いてみた。
■銃刀法改正…取締りは強化
警視庁が回収したクロスボウ
いま全国の警察で、ある作業が進められている。それはクロスボウ(ボウガン)を回収し、廃棄すること。2020年6月、兵庫・宝塚市で4人がクロスボウで撃たれ死傷した事件などを受け、所持を許可制とする改正銃刀法が3月15日に施行された。
許可を受けられるのは、射撃競技や動物への麻酔などの用途に限られ、いま持っている人は、施行日から半年後の9月14日までに所持の許可を申請するか、適法に所持できる人に譲り渡すか、警察署に持って行き廃棄をお願いしなければならない。
つまり今後は、一般の人がクロスボウを持つことはほぼ不可能になる。警視庁によると、都内ではすでに200本以上のクロスボウが回収されたという。
クロスボウを持っている人は多くないだろうが、銃刀法をめぐっては「知らなかった」では済まされない思わぬ落とし穴がある。キャンプ用ナイフなどを例に、ここでおさらいしてみたい。
■ナイフ所持の「正当な理由」とは?
日テレNEWS
こちらの一見、同じような2種類のナイフ。キャンプ愛好家の中には、こうしたナイフを持っている人もいるのではないだろうか。
実は、一方は所持自体禁じられているのだが、どちらかわかるだろうか。
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正解は写真左の「ダガーナイフ」と呼ばれるナイフ。実はこのナイフ、刃が両側に備えられていることなどから、銃刀法が定める“剣”に該当。2008年の秋葉原連続殺傷事件で使用されたことを受け、翌年から5.5センチメートル以上のものは所持そのものが禁止されている。キャンプ歴が長い人の中には知らずに愛用している人もいるかもしれない。
もう一方の右の写真のナイフは、一般的に「サバイバルナイフ」と呼ばれ、キャンプでの薪割りや料理などでよく使われているものだ。
そもそも、銃刀法ではこうしたキャンプ用のナイフや包丁、はさみなどは、仕事や日常生活で必要なものであることから、所持自体は合法とされている。ただし、刃体の長さが6センチメートルを 超えるものについては、人の生命に危険を及ぼすおそれが高いため、「正当な理由」なく外で持ち歩くなどして「携帯」する行為は禁じられている。
「正当な理由」とは社会通念上、つまり、社会常識に照らして刃物を「携帯」していてしかるべき状況にあるのかどうかということだ。キャンプに使うためのナイフであれば持ち歩いていても問題ないように思えるが、場合によっては、違法に携帯したとして取り締まりの対象となり、検挙される可能性があるという。もし違法に刃物を所持して検挙されれば、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」に処されることになる。
では、「正当な理由」と言えるのは、どんな場合なのか。警視庁幹部に聞いた。