北海道・知床半島沖で観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、今月6日と18日、乗船者の可能性がある2人の遺体が北方領土・国後島で見つかった。発見した住民らは、読売新聞の電話などによる取材に応じ、発見の経緯とともに、犠牲者14人を悼み、行方不明者12人の早期発見を願う気持ちを語った。
【写真】2遺体を発見したドミトリー・ソコフさん
日本政府は現在、外交ルートを通じてロシア側に身元の確認を求めている。
(写真:読売新聞)
2人の遺体を見つけたのは、ロシア政府の自然保護区の職員で、島の自然環境の調査も行うレンジャーのドミトリー・ソコフさん(54)。ビザなし交流事業で道内を訪れたり、斜里町で行われたシンポジウムでラッコの生息数を報告したりしたこともある。
電話取材に応じたソコフさんによると、フクロウの巣の研究で訪れた島の西側海岸で、今月6日に女性の遺体を、18日に男性の遺体を見つけた。男性の遺体は白骨化が進み、近くにあった革製の財布に小型船舶の免許証とクレジットカードが入っていた。いずれも地元の警察に届け出た。
ロシア側の連絡を受けた第1管区海上保安本部(北海道小樽市)によると、免許証は日本のもので、記載されていた名前は「ソヤマ アキラ」。1管は、遺体の男性が、カズワンの甲板員で行方不明の曽山聖さん(27)の可能性があるとみて確認を進めている。