感謝状を受け取った正士さん(後列中央)ら(上市署で)
富山県立山町の農業男性ら6人が、行方不明の80歳代の男性を見つけて救出したとして、上市署から表彰された。
表彰されたのは、同町金剛寺の農業、菅原正士さん(74)と妻の久美子さん(72)、正士さんのいとこの新井満里子さん(72)ら計6人。
正士さんは4月17日午後3時半頃、近くの山に山菜採りに向かったところ、自宅そばの用水路沿いの地面で、座り込んでいる高齢の男性を見た。同じく山菜採りに来た人だと思い、自らも山菜採りをしてから帰宅したという。だが帰宅後、久美子さんら女性3人から、「行方不明の男性がいる」との防災無線が流れていると聞き、先ほど見かけた男性の姿が脳裏に浮かんだ。
正士さんは、座り込む男性を見かけたことを3人に話し、すぐに4人で捜索に向かった。同4時40分頃、同じ用水路の急なのり面(高さ約2メートル)にしがみついている男性を、新井さんが発見。両足をぬらして疲れ切っている様子だったが、自分の名前や住所は言えたという。その後、駆けつけた親類も含めて3人がかりで男性を斜面から引き上げた。
男性は現場から1キロほど離れた所に住んでいたが同日朝以降、行方が分からなくなり、家族が行方不明届を出していた。現場までは歩いてきたと見られるが、けがはなかった。
捜索と救助に携わった6人には、同署から感謝状が手渡された。久美子さんは、「一生こんなことはないと思う。本当に助けられて良かった」と話した。同署の市井亮吉署長は「このまま見つからなければ、亡くなる危険性も高かった。6人の皆さんのおかげで助かった」と感謝した。