ミャンマー国軍が30年以上例がない死刑を不意打ち執行、人気歌手の遺志継ぐ潜伏妻「戦い抜く」 挙式1カ月前に逮捕、日本の国軍留学生受け入れを批判


ミャンマー国軍が30年以上例がない死刑を不意打ち執行、人気歌手の遺志継ぐ潜伏妻「戦い抜く」 挙式1カ月前に逮捕、日本の国軍留学生受け入れを批判

(写真:47NEWS)

 国軍はピョーゼヤートーさんの遺骨や遺灰を返還していない。タジンニュンアウンさんは「国軍に逆らえばどうなるか分からせるため」の見せしめだと憤る。それでも夫の遺志を継ぎ「国軍打倒まで戦い抜く」と決意は固い。ミャンマーを巡る日本政府の対応について尋ねると、防衛省が国軍からの留学生を受け入れ続けていることを批判した。(共同通信=大西利尚)

 ▽音楽活動再開もクーデターで暗転

ミャンマー国軍が30年以上例がない死刑を不意打ち執行、人気歌手の遺志継ぐ潜伏妻「戦い抜く」 挙式1カ月前に逮捕、日本の国軍留学生受け入れを批判

ミャンマー・ネピドーの議会に到着するピョーゼヤートー氏=2015年8月(AP=共同)

 

タジンニュンアウンさんもヒップホップ歌手だ。2人は2019年に交際を始め、1年後に結婚したものの、忙しくて結婚式は挙げなかった。「夫はこの国を良くしたいという気持ちにあふれていた」。タジンニュンアウンさんにとりピョーゼヤートーさんは尊敬の対象であり、音楽を通じてミャンマーに民主主義を定着させようと取り組む同志でもあった。

 ピョーゼヤートーさんは2020年の総選挙には立候補せず政界を引退し、音楽活動を再開する予定だった。しかし2021年2月1日、国軍がクーデターを起こし、全てが暗転した。

 ▽逮捕され、かなわなかった結婚式

 2人は当初クーデターに反対する路上デモに参加していたが、国軍は武力弾圧に乗り出し、各地で死傷者が増えていった。タジンニュンアウンさんは「自分の命を犠牲にしなければいけなくなるかもしれない」と覚悟した。ピョーゼヤートーさんは身を隠し、武装蜂起した民主派でつくる「国民防衛隊」を支援するようになった。



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