中国はカザフスタンへのロシア干渉を拒否、中央アジアの力関係に変化の兆し

[ad_1]

トカエフ大統領と会談した習近平主席は「カザフスタンに対する如何なる勢力の干渉も断固として反対する」と発言、海外メディアは「ロシアによる干渉を中国は容認しない」と解釈しており、中央アジアにおける中国のプレゼンス強化ではないかと報じている。

ロシアの圧力に直面したカザフスタンを支持することで、習近平主席は「中央アジアにおける中国のプレゼンス強化」を狙っているのかもしれない

カザフスタンは伝統的なロシアの同盟国であり、今年1月の内戦危機もロシア軍を主軸にした集団安全保障条約機構(CSTO)の助力で乗り切ったが、プーチン大統領が承認したドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立については承認しない方針で、ロシアが要請したウクライナ派兵についても米NBC Newsは「カザフスタン側が拒否した」と報じて注目を集めていた。

中国はカザフスタンへのロシア干渉を拒否、中央アジアの力関係に変化の兆し

出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0

大統領府のスレイメノフ報道官は3月「ロシアは特別軍事作戦と呼び戦争と表現することを禁止する法律を導入したが、カザフスタンではそのまま形=戦争と呼んでいる。我々はCSTO加盟国だがウクライナでのケースに条約の規定は適用されない。カザフスタンはウクライナの領土保全に対する行動を支持しているし、国連が承認しないクリミアやドンバスについても承認しない。我々が尊重するのは国連レベルでの決定のみだ」とEURACTIVの取材に回答。

トカエフ大統領も6月「ロシアとの経済関係は『西側諸国の制裁に違反しない範囲』で継続する」と露国営メディアの取材に回答、危機を誰のお陰で乗り切れたと思っているのかという圧力にも「ロシアが救ったのでカザフスタンは永遠に頭を垂れるべきだという理屈はナンセンスだ」と一蹴、そのため一部のロシア人政治家やメディアが「次はカザフスタンの番だ」と仄めかしていたが、8月末にはロシア軍の弾薬不足が報じられると唐突に「全ての武器輸出を1年間停止する」と発表。

中国はカザフスタンへのロシア干渉を拒否、中央アジアの力関係に変化の兆し

出典:Официальный информационный ресурс Премьер-Министра Республики Казахстан

武器輸出停止に関する内容は簡潔な言葉で綴られているためカザフスタンの意図も、ロシアにカザフスタン製の武器が輸出されていたのかも謎だが、表向きには武器の国産を推進するためだと解釈されている。ただタイミング的に「カザフスタン軍の備蓄を回してほしい」という要請を断る法的根拠だと見られており、カザフスタンはロシアと一定の距離を保ち続けている。

プーチン大統領との直接会談を控える中国の習近平主席は14日、カザフスタンを訪問してトカエフ大統領と会談した際に「国際情勢がどのように変化してもカザフスタンの独立、主権、領土保全を支持し、内政に対する如何なる勢力の干渉にも断固として反対する」と発言、日本メディアは「米国を念頭に置いた発言だ」と解釈しているが欧州や中央アジアでは「ロシアを念頭に置いた発言だ」と見ているのが興味深い。

中国はカザフスタンへのロシア干渉を拒否、中央アジアの力関係に変化の兆し

出典:Президента Республики Казахстан

つまり上海協力機構の加盟国でもあるカザフスタンに干渉して「現政権の転覆」や「何らかの直接的な行為」に及ぶことを容認しないと中国は主張しており、如何なる勢力という表現について日本は米国と、欧州や中央アジアではロシアと受け取ったという意味だ。

勿論、ウクライナメディアも「ロシアを念頭に置いた発言だ」と受け取っており、ロシアの圧力に直面したカザフスタンを支持することで習近平主席は「中央アジアにおける中国のプレゼンス強化」を狙っているのかもしれない。

中国はカザフスタンへのロシア干渉を拒否、中央アジアの力関係に変化の兆し

出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0

因みに米欧州陸軍のベン・ホッジス元司令官はTelegraph紙に寄稿した記事の中で「ウクライナで惨敗を喫したロシアは連邦自体の崩壊に直面している。世界中の国はロシアの敗戦や政変ではなくロシア連邦自体の崩壊に備えるべきで、30年前のソ連崩壊時は準備不足でプーチンのような独裁者の台頭に繋がったが、2度目の準備不足は絶対に許されない」と述べている。

カザフスタン、プーチン大統領が要請したウクライナへの派兵要請を拒否
米欧州陸軍のホッジス元司令官、米国はロシアの非帝国化を目指すべき

 

※アイキャッチ画像の出典:Президента Республики Казахстан

[ad_2]

Source link