英通貨ポンドの対ドルレートが史上最安値を更新した
(CNN Business) 週明け26日の外国為替市場で英ポンドの対ドルレートが4%以上下落し、史上最安値を更新した。
ポンドは23日に2.6%安と急落し、1ポンド=1ドルのパリティ(等価)割れもあり得るとの懸念が強まっていた。
さらにアジア、オーストラリア時間の26日朝の取引で、1ポンド=1.035ドルまで続落した。これまでの最安値は1985年2月に記録した同1.054ドルだった。
英国のクワーテング財務相は23日、50年ぶりの規模となる減税案を発表した。この中には法人税増税の撤回や銀行員の賞与制限撤廃が含まれ、野党・労働党から富裕層優遇との批判を浴びている。
与党・保守党の内部でも、元財務相の長老クラーク議員がBBCラジオとのインタビューで、減税はポンド崩壊を招きかねないと警告。中南米諸国が試みて失敗してきた政策だと指摘した。
ポンド安の背景には低調な経済指標のほか、逃避先通貨としての米ドル急騰がある。英国は特に、エネルギー危機や主要7カ国(G7)で最悪レベルのインフレにより、深刻な打撃を受けている。