ロシア、ジョージア国境に軍入隊所設置へ 出国の長い列できる中
ロシアは近く、ジョージアとの国境に、陸軍の入隊所を開設する。この付近では、ウクライナに兵士として派遣されるのを逃れようとするロシア人男性らが、長蛇の列を作っている。
当局によると、ロシアの北オセチア共和国ヴェルフニー・ラルスにある国境検問所の職員は、「動員年齢の国民」に対して召喚状を渡す任務を負うことになる。
同共和国の内務省は、すでに職員60人が配置されているとし、「極めて張り詰めた」状況だとした。
最近の衛星写真では、ロシアからジョージアに出国しようとする人々の列が、何キロも続いているのがわかる。
BBCのレイハン・ディミトリ特派員によると、ジョージアに渡った人は全員、疲れ切った様子だという。空腹で睡眠不足だが、安全な場所にたどり着いて安心している。集団でスーツケースを引きずりながら歩いて来た人がいれば、車や自転車で来た人もいるという。
イリアと名乗った男性は、アリーシャという名の娘のポラロイド写真を見せ、彼女の成長を見たいと話した。そして、ウクライナでの無意味な戦争で死にたくないと述べた。
20代前半の兄弟ディマさんとゼニアさんは、バシキリア(モスクワの東約1500キロにあるロシアの共和国)から何日もかけてやって来たと話した。
モスクワから来たという別の若者は、ウラジーミル・プーチン大統領のせいで国外に逃げることになったと述べた。
ディミトリ特派員によると、ジョージアに到着した誰もが異口同音に、戦争には反対だがロシア国内の弾圧が強くて自分たちは無力だと話しているた。
■モンゴルやカザフスタン国境でも
ロシア人男性らの長い列は、モンゴルやカザフスタンに入る国境検問所でもできている。
カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は27日、「絶望的な状況」から逃れてきたロシア人の安全と福祉を守ると誓った。
一方、ロシア国防省は同日、招集を避けるために国外に渡ったロシア人の身柄引き渡しを求めない考えを明らかにした。
プーチン氏は21日に部分的な動員を発表。セルゲイ・ショイグ国防相は、30万人の予備役が招集されると説明した。
しかし、ロシアの反体制派メディアは、最大100万人が招集される可能性があり、実際の動員人数は機密情報になっているとした。
複数の報道によると、軍隊経験のない人や高齢者、障害者も招集されている。そうしたことは、ソーシャルメディアに投稿された映像でも示されている。
動員が発表されて以来、ロシア各地の抗議デモで2000人以上が拘束されている。
国連人権高等弁務官事務所のラヴィナ・シャムダサニ報道官は27日、「多くの人々が逮捕されているとの報告に深く胸を痛めている」と述べた。
(英語記事 Russia to open war enlisting hub on Georgia border)
(c) BBC News