ポーランドがM1A1FEP導入契約に署名、エイブラムスの調達数は計366輌

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ポーランドと米国は中古エイブラムスの調達に関する契約を正式に締結、2024年までにオーバーホールされたM1A1/FEP×116輌が引き渡される予定で、M1A2/SEPv3と合わせるとポーランド陸軍が運用するエイブラムスは計366輌になる。

第3世代に分類される戦車の数だけなら間違いなくポーランドはトルコを抜いて欧州最大になる

ポーランドは2021年7月「ロシア軍が間もなく配備するT-14にウルフ・プログラムで調達する次期戦車が間に合わない」と判断してM1A2/SEPv3の緊急導入を決断、さらにロシア軍による侵攻が2022年2月に始まると保有していたT-72×240輌以上をウクライナに提供、このギャップを埋めるため中古M1を追加調達することで米国とポーランドは合意していたが、両国は116輌のM1A1/FEPの売却に関する契約を正式に締結した。

ポーランドがM1A1FEP導入契約に署名、エイブラムスの調達数は計366輌

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej Maciej Nędzyński/CO MON ポーランド陸軍の訓練用にリースされたM1A2/SEPv2

予想通りポーランドが追加調達するM1は「Force Design 2030」に基づく部隊再編計画で米海兵隊から退役したM1A1/FEPで、オーバーホールの実施やポーランド陸軍の要求に合わせた改造を施した上で引き渡される予定だが、納期短縮のため基本的な仕様はM1A1/FEPのままで「将来的にM1A2/SEPv3へのアップグレード」も視野に入っているものの具体的な計画は今のところ不明だ。

どちらにしてもポーランド陸軍はドイツ製(Leopard2A4/A4/PL×250輌前後)と旧ソ連製(T-72M/M1×300輌前後とPL-91×230輌前後)で構成された戦車戦力を米国製(M1A2/SEPv3×250輌とM1A1/FEP×116輌)と韓国製(K2×180輌とK2PL×820輌)で刷新する予定で、米国を除くNATO加盟国の中でトルコ(近代化されたM60やM48を含めると約2,000輌)に次ぐ戦車保有国になり、第3世代に分類される戦車の数だけなら間違いなく欧州最大と言っても差し支えはない。

ポーランドがM1A1FEP導入契約に署名、エイブラムスの調達数は計366輌

出典:Gov.pl/CC BY 3.0pl Leopard2PL

因みにフィンランドの国防委員長は「ウクライナにLeopard2を提供する準備が出来ている」と発言して注目を集めているが、フィンランドは単独でLeopard2の提供に踏み切るつもりはなく「欧州が西側製戦車のウクライナ供給にゴーサインを出せば」と付け加えている。

さらに米国のWSJ紙も「ポーランドがLeopard2をウクライナに提供するかもしれない。このアイデアの実現は米国や韓国から新しい戦車をどれだけ早く取得できるかにかかっている」と報じているが、これに反応したポーランドのモラヴィエツキ首相は「報道が引用した話はシンクタンク(ポーランド国際問題研究所)のもので、我々は同盟間の取り決めがないかぎり戦車をウクライナに提供することはできない」と述べているのでLeopard2提供に期待するのは時期尚早だ。

ポーランドがM1A1FEP導入契約に署名、エイブラムスの調達数は計366輌

出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. William Chockey

欧米がウクライナ提供に踏み切った西側製の砲兵装備、多連装ロケットシステム、防空システム、歩兵戦闘車のどれもが、ほぼ米英仏独の合意(事実上は米国の決定)で開始されているため「フィンランドやポーランドが独自にLeopard2の提供に乗り出す」というのは不可能に近く、ウクライナに提供する準備は整ったと言及したスロバキアのMiG-29(8月末退役)も未だに引き渡しが実現していないため「提供できる装備の制限撤廃に至っていない」と解釈するのが妥当なところだろう。

10ヶ月前と比較すれば「提供できる装備の制限」は大幅に緩和されているため「将来的にLeopard2やMiG-29の提供に踏み切る可能性」を否定しないが、支援内容の強化に踏み切るには「政治的な理由」が必要なので「今直ぐLeopard2の提供が実現するか?」と言われると微妙としか言いようがない。

ポーランドがM1A1FEP導入契約に署名、エイブラムスの調達数は計366輌

出典:U.S. Army photo by Spc. Randis Monroe/Released

我々のような一般人からすれば「歩兵戦闘車を提供したのに戦車の提供を躊躇する理由が分からない=まどろっこしい」と感じてしまうが、欧州の安全保障リスクに関わる判断なので「政治的な計算」が優先されるのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Ministerstwo Obrony Narodowej Maciej Nędzyński/CO MON

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