19日、ウクライナ東部バフムト近郊で砲撃の準備をするウクライナ兵=ロイター
ウクライナ軍は21日、ロシア軍の占領下にある南部ザポリージャ州の港湾都市ベルジャンシクの露軍部隊の本部を攻撃し、損害を与えたと発表した。ベルジャンシクは戦闘の最前線から約100キロ・メートル離れており、長射程兵器を使った模様だ。ベルジャンシクはウクライナ軍が大規模な反転攻勢で奪還を目指す候補地として取りざたされている。
【動画】30ミリ機関砲でバフムトのロシア軍陣地を撃破するウクライナ軍
ウクライナ軍は使用した兵器については明らかにしていない。露軍側はウクライナ軍が英国から供与された長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」(射程250キロ・メートル超)を使ったと主張している。
ウクライナ軍は英国がストームシャドーの供与を正式発表した11日以降、米国が供与した高機動ロケット砲システム「HIMARS」(射程約80キロ・メートル)で届かない距離にある露軍拠点への攻撃を活発化させている。
東部ドネツク州の港湾都市マリウポリでは19日夜に露軍が基地として使用している空港で大規模な爆発があった。露軍側は20日、マリウポリがストームシャドーによる攻撃を受けたと発表した。マリウポリもウクライナ軍による反攻の候補地の一つに浮上している。
一方、ウクライナ陸軍の司令官は21日、露国防省が「全域制圧」を宣言したドネツク州の要衝バフムト周辺の最前線を視察したとSNSで発表した。司令官はバフムト周辺での反撃で成果を上げており、奪還の機会がくると強調した。ウクライナ側はバフムトの陥落を認めていない。