韓国の大雨被害、水没した地下車道から13人の遺体


韓国の大雨被害、水没した地下車道から13人の遺体

韓国の大雨被害、水没した地下車道から13人の遺体

韓国では今月13日以降、西部・忠清南道から東部・慶尚北道にかけての広い範囲で雨が降り続け、川の氾濫や土砂崩れが各地で発生している。

連日の雨の影響で、これまでに少なくとも39人が死亡している。当局は17日朝の時点で、9人が行方不明になっていると発表した。

15日には清州で、水が急激に地下車道に流れ込み、バスの乗客や運転手らが車内に閉じ込められた。

五松(オソン)にある全長685メートルの地下車道内に何人が取り残されているのかは不明だが、15台の車両が水没しているとみられている。

複数の遺体はバスの中から見つかった。16日には9人の生存者が救出された。

遺族側は、地元当局が効果的な対応をとっていれば、犠牲にならずに済んだかもしれないと主張している。

複数の地元メディアは、地下車道が水没する数時間前、河川氾濫管理事務所が水位上昇の警告を出しており、地下車道周辺の通行を迂回(うかい)させるべきだったと報じている。

そのほかの死者の大半は、地滑りで複数の家屋が押し流された山間部の慶尚北道で見つかっている。

16日の全国の降水量は300ミリ近くに達したと報告されている。韓国気象庁によると、韓国の年間降水量は1000~1800ミリで、その大半は夏季に降る。

川の氾濫に見舞われた地域の空撮映像では、茶色い水に覆われた中から建物の屋根だけが見えている場所が多い。

複数の自治体が避難指示を出し、数千人が影響を受けている。韓悳洙(ハン・ドクス)首相は軍に救助活動の支援を要請した。

聯合ニュースによると、15日朝には中部・槐山でダム湖の水があふれ始め、約6400人が緊急避難した。ダム周辺の低地にある村や道路が冠水し、一部の住民が自宅で立ち往生した。

忠清北道では15日午後、土砂崩れで列車が脱線。機関士1人が負傷した。乗客は乗っていなかったという。

コーレイル(韓国鉄道公社)は、一部の列車の運行停止を発表した。

韓国気象庁は、19日ごろまでさらに大雨が続くと予報。気象状況はきわめて危険だと警告した。

■アジア各地で大雨被害、原因は? 

雨季が続くインド、中国、日本、フィリピンなどアジア各地ではこの2週間ほど、大雨とそれに伴う土砂崩れや氾濫の被害が相次いでいる。7月にはアジア一帯で100人以上が大雨の影響で死亡している。

洪水発生の原因は複合的だが、気候変動に伴う温暖化の影響で、極端な豪雨が起きやすくなると多くの科学者は説明する。

気温が上がれば上がるほど、大気中に存在できる水蒸気の量が増え、短時間で狭い範囲に大雨をもたらすこともある。

追加取材:ク・ユナ、BBC(ソウル)

(英語記事 Nine bodies recovered from flooded S Korea tunnel)

(c) BBC News



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