維新擁立により自公との全面対決が実現 兵庫の次期衆院選

日本維新の会が兵庫県内で勢力を拡大しています

日本維新の会は、兵庫県内での党勢拡大に本格的に取り組んでいます。次期衆院選では、これまで候補者を立てていなかった兵庫2区、8区、9区にも維新候補者を擁立する予定です。兵庫県内の全ての選挙区で自民党と公明党の候補者との議席争いが行われ、全面対決の構図が固まりました。そのため、他の政党も含めて激しい選挙戦が予想されています。

注目される選挙区の議席争い

特に注目されるのは、これまで公明党が強いとされていた2区(神戸市兵庫区、北区、長田区、西宮市の一部)と8区(尼崎市)の議席争いです。

2区では、公明党の現職である赤羽一嘉氏(65歳、前国土交通相)に対し、維新の新人候補で元世界保健機関(WHO)の健康危機管理官でもある阿部圭史氏(37歳)が挑戦します。8区では、公明党の現職である中野洋昌氏(45歳)に対して、現職の参院議員である清水貴之氏(49歳)が出馬することが決定しました。兵庫県維新の会の片山大介代表は、「これ以上の布陣はありません」と自信を示しています。

維新はこれまで、看板政策である「大阪都構想」への協力を得るために、大阪の4選挙区を含めて候補者擁立を見送ってきましたが、次期衆院選においては構図が一変し、不透明な状況となっています。

例えば、8区は尼崎市全域が選挙区になります。令和3年の前回選挙では、公明党の候補者が約10万票を獲得し、共産党やれいわ新選組の候補者を退けました。一方、維新は候補者を立てませんでしたが、同市内で約5万8000票の比例票を獲得しています。「常勝関西」と称される公明党の地盤の強さがうかがえます。

ただし、8区の投票率は約48.8%で全国平均よりも7ポイント程低いです。これは、選択肢がないと判断した有権者が投票所に足を運ばなかった可能性もあります。片山氏は、「維新に期待する潜在的な票が掘り起こせる可能性がある」と分析しています。

これに対し、公明党としては、連立パートナーである自民党との強固な連携がポイントとなります。ただし、兵庫県内における自公の関係は順調とは言えない状況です。

今年6月、自民党の茂木敏充幹事長、森山裕選挙対策委員長、兵庫県連会長の末松信介参院議員が面会しました。2区と8区の公明党候補者への推薦について意見を交換しました。末松氏は、4月の県議選で2区の神戸市兵庫区と長田区で自民党の議席がゼロになったことなどに触れ、「地元にずっと自民党の衆院候補がいないということがこのような結果を招いた」と懸念を伝えました。

最終的には、「できるだけの協力は行う」として2区と8区の公明党候補者への推薦に同意しましたが、両選挙区内の県議や市議レベルでは複雑な感情が渦巻いていることは否定できません。

ただし、自民党にとっても公明党の支援は重要であり、接戦が予想される選挙区を中心に公明党の票が大きな役割を果たします。関西の公明党関係者は、維新の動きに危機感を抱いており、「自民党の議員一人一人が選挙にどれだけ協力してくれたか、その結果を評価することになるでしょう」と自民党を牽制しています。

また、2区では立憲民主党の新人候補である船川治郎氏(56歳)、8区では共産党の新人候補である小村潤氏(48歳)も立候補の準備を進めています。

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