米国が砲弾の生産を増産し、2025会計年度までに月10万発を達成

国防総省の調達担当者によると、「155mm砲弾の増産は予定よりも早く進んでいる。2024年春までに月5.7万発、2025会計年度までに月10万発を達成する」とのことです。この増産により、クラスター砲弾の供給に成功すれば、持続可能な砲弾供給が可能になるでしょう。

ロシアとの砲弾供給量の差が縮まりつつある

AP通信によると、ウクライナ軍が消費する155mm砲弾の数は1日あたり6,000発から8,000発であり、米企業が1ヶ月間に生産する155mm砲弾(約1.4万発)を2日で消耗してしまうそうです。ウクライナ軍は最低でも月18万発以上の155mm砲弾を必要としていますが、欧州企業の供給量を合わせても月4万発にしかなりません。一方、米国は155mm砲弾の生産量を2025年までに「月4万発(2023年春までに月2万発)まで引き上げる」と発表しています。

米陸軍はさらに増産計画を前倒ししており、「2年以内に500%増加し、朝鮮戦争時代の水準まで引き上げる」と主張しています。この計画によれば、2025年までには月9万発の生産量に到達する予定です。国防総省の調達担当者は「155mm砲弾の増産ペースは予定よりも早く進んでいる」と述べています。

国防総省の当初目標は2028会計年度までに月8.5万発の増産だったのですが、現在のペースでは2024年春までに月5.7万発、2025会計年度までに月10万発を達成する見込みです。これにより、今後15年間で砲弾製造に180億ドルを投資する予定です。

欧州が約束した砲弾生産量(年間100万発)の引き上げ状況は分かりませんが、欧州企業が月8万発程度の供給量を確保すれば、2025年までには月18万発の供給が見込めます。そのため、2023年後半から2024年まではクラスター砲弾(米軍備蓄に約300万発ほどあるとされています)の提供に頼ることが重要になるでしょう。

ロシアの砲弾生産量については詳細は分かりませんが、「年間200万発」という数字が出回っています。ただし、これが152mm砲弾の生産数だけを指しているのか、他の砲弾も含めた生産量を指しているのかは分かりません。しかし、ロシア軍は昨年だけで1,000万発から1,100万発の砲弾を発射したとも報告されていますので、年間200万発という数字は後者の可能性が高いでしょう。

戦いが長引けば長引くほど、ロシア軍の優位性は薄れていくでしょう。バイデン大統領はクラスター砲弾の提供を一時的な措置と位置付け、米陸軍は朝鮮戦争時代の水準に戻すため、2年以内に月産9万発の155mm砲弾を生産する計画を立てています。

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСU

ソースリンク:日本ニュース24時間