アゼルバイジャン大統領、アルメニアの不介入を称賛し和平協定締結を示唆

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、南コーカサス地域では長い間激しい衝突が繰り返されてきましたが、「もう十分だ」と述べ、不介入を貫いたアルメニアについても評価しました。アリエフ大統領は、「対テロ作戦中のアルメニアの立場には希望を感じられる。アゼルバイジャンとアルメニアが問題を解決し、和平協定に署名し、南コーカサス地域の国々が協力を始める日が近いことを願っている」と述べ、和平協定の可能性を示唆しています。

ザンゲズール回廊の建設が必須な和平協定の調印はまだ先の話

とはいえ、和平協定の調印には、ナヒチェヴァン自治共和国とアゼルバイジャン本土を結ぶための交通手段であるザンゲズール回廊の建設が必要です。そのため、アルメニアが和平を手に入れるのはまだ先の話となります。

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アルメニアの戦略とアゼルバイジャンの決意

アルメニアは、領土問題を解決するために口先の交渉で時間をかけようとする戦略を選択しました。しかし、2016年に勃発した4日間戦争でアゼルバイジャンが武力による領土奪還を決意したことで、口先の交渉の戦略は破綻しました。アルメニアも戦争による現状の打開を求めていたのです。

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第二次ナゴルノ・カラバフ戦争の終結とアルツァフ共和国の苦境

しかし、2020年に勃発した第二次ナゴルノ・カラバフ戦争は、アルメニアとアルツァフ共和国の敗北で終結しました。停戦協定の成立を目指して、「アルツァフ共和国が獲得した領土のアゼルバイジャンへの返還」が要求されました。アルツァフ共和国は物理的に切り離され、装備の補充や軍事的な格差の開きに苦境に立たされることとなりました。

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パシニャン首相の決断と和平協定への期待

アルメニアのパシニャン首相は、2022年9月頃、現状の打開を図るためにある決断を下すことになりました。彼はアルツァフ共和国がアゼルバイジャンの主権や統治を受け入れるのかについて、アルメニア国内でも議論を巻き起こしました。

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アリエフ大統領との会談の前に、パシニャン首相は「アルメニアはアゼルバイジャンの領土保全を認めており、アゼルバイジャンもアルメニアの領土を認める用意がある」と述べました。そして、領土の相互承認による和解に取り組む姿勢を示しました。

アルメニアとアゼルバイジャンの関係の正常化への取り組み

アリエフ大統領もアルメニアの立場を考慮し、「和平協定締結の可能性がある」と述べました。しかし、和平協定の成立には深刻な前提条件があると指摘しています。具体的には、ナゴルノ・カラバフ問題を「領土問題」から「アルメニア系住民の権利問題」に変更し、ステパナケルトとバクーの対話を通じて解決しようとするアプローチの採用です。

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平和への希望とザンゲズール回廊の建設の必要性

アリエフ大統領はアルメニアに対し、「南コーカサスから政治利益を追求し、アルメニア人を利用し、搾取し、売り飛ばす勢力に手を引くよう要求します。アルメニアとアゼルバイジャンが問題を解決し、和平協定に署名し、南コーカサスの国々が将来に向けて協力を始める日が近いことを願っています」と述べ、和平の希望を示しました。

アルメニアとアゼルバイジャンの関係の正常化と和平協定の調印を実現するには、まだ多くの課題が残っています。特に、ザンゲズール回廊の建設が必要なため、アルメニアが和平を手に入れるのはまだ時間がかかるでしょう。

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