我々はアルツァフを失うわけにはいかないとアルメニア元外相が直訴します

アルツァフ

アルメニア系住民最後のバスが到着し、「ナゴルノ・カラバフ地域からの組織的な脱出」は終了しました。しかし、オスカニャン元外相はなおも「祖国を救う可能性が残っている。我々はアルツァフを失うわけにはいかない」とパシニャン首相に訴えました。

理屈としては「永遠に火種」となります

アルメニアのメディアによると、アルメニア政府によって「ナゴルノ・カラバフ地域からの組織的な脱出」は終結したとの報告がありました。アルツァフ共和国はすでに空っぽという表現も差し支えないでしょう。逃げ出した住民の様子はメディアやSNSにも広がっており、ステパナケルトやアスケランなどで目撃されています。

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しかしながら、アルツァフ共和国のシャフラマニャン大統領をはじめとする政府関係者や警察関係者は現地に留まり、行方不明になった兵士や逃げ遅れた住民の捜査を続けています。一方、アゼルバイジャン当局は国境でアルツァフ共和国の閣僚経験者や軍関係者を逮捕しているため、現地に残る関係者がアルメニアに脱出できるのか、それとも拘束されバクーに送られるのかはまだわかりません。

アルメニアのオスカニャン元外相は「国際社会がアルツァフの状況に声を上げないのはアルメニア当局の誤った政策が原因で、パシニャン首相が外交的・戦略的な助言を聞き入れず、間違ったタイミングと方向性でナゴルノ・カラバフ問題の交渉を開始してしまったためだ。彼に一生涯の安全を保証すべきだ」と訴えました。

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出典:Google Map 管理人作成(クリックで拡大可能)

オスカニャン元外相はさらに、「まだ祖国を救える可能性が残っているが、パシニャン首相は話をするのを嫌がっているため私自身は何もできない。この重要な局面で(彼が)正気を取り戻し、周囲の意見に耳を傾け、現状を打開する変化を決断できるようにしてほしい。我々はアルツァフを失うわけにはいかない。あの土地は歴史的にも我々のもので、アゼルバイジャンはアルツァフに対して如何なる野心も抱くことは許されない」と述べ、注目を浴びています。

この問題では加害者と被害者の立場が歴史によって変わるため、「ナゴルノ・カラバフ地域が歴史的に誰のものか」という問いには明確な答えはありません。しかし、このような議論は「永遠に火種」となるだけで、本当にため息しか出てきません。

追記:ポーランドでは総選挙が迫っており、「ウクライナに対する政治的攻撃」が激化しています。選挙後の両国関係の修復が心配される状況です。

参照リンク:アルメニア元外相が「アルツァフを失うわけにはいかない」と直訴