北朝鮮の内部情報:金政権が公開処刑を再度執行、その理由とは?

朝鮮中央テレビ画面より引用

北朝鮮の両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市で、男性1人が公開処刑にされました。この公開処刑は、今年2回目のものです。なぜ恵山市で公開処刑が行われるのでしょうか?その背景には、戦時物資の医薬品を横流しした罪が関与しているようです。

8月には9人が銃殺されていた

この公開処刑について、取材協力者が詳細を伝えてきました。彼によると、当初の予定では2人が銃殺される予定でしたが、最終的に銃殺されたのは男性1人でした。彼の罪は、戦時物資の医薬品を個人の薬商人に横流ししたことです。中国の医薬品不足の際に、彼は大儲けをしたといいます。公開処刑の場で、彼の罪状が宣告されたそうです。

医薬品の横流しに対する厳罰の方針

医薬品の横流しに対して、銃殺という量刑は過剰なものであるかもしれません。しかし、金正恩政権は、民間医療と医薬品の個人販売を根絶するために厳罰を科すことを通達していました。したがって、公開処刑は住民に対する恐怖政治の一環であると考えられます。

言うことを聞かない者は容赦しない

取材協力者によると、以前の調査で、戦時物資の倉庫から医薬品の空き瓶が見つかり、4人が逮捕されたそうです。しかし、3人は逃げ回り、銃殺されたのは1人だけだったといいます。今回の公開処刑を機に、医薬品の販売や流通に関わる者は自発的に申告するよう当局が通告しているとのことです。

このような公開処刑は、最も厳しい見せしめの一環であり、住民を恐怖で統治する手段として利用されているのかもしれません。協力者は、「国の命令に従わなければ容赦しない。ただ命令に従っていれば良いという雰囲気だ。本当に人が撃たれるので、皆気を付けなければならないと言い合っている」と述べています。

また、協力者によれば、恵山市では殺人や暴力行為、集団逃亡などの罪で銃殺の対象となっている者が7人いるとのことです。これらの人々は最終裁判の結果を待っており、家族は処刑を回避すべく奮闘しているといいます。

米国のアジア自由放送(RFA)も、9月25日の銃殺について報じています。報道によれば、8月30日の公開処刑では恵山市の機関や企業、人民班の多くの住民が動員されましたが、今回は機関や企業の労働者は動員されなかったとのことです。

この記事は「日本ニュース24時間」のものです。詳細はこちらからご覧いただけます。