パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)において、燃料不足によりガザ最大のシファ(Al-Shifa)病院で深刻な状況が生じています。ユセフ・アブ・リシ(Yussef Abu Rish)保健副大臣によると、これまでに乳児5人と重症患者7人が死亡してしまいました[^1^]。さらに、別のガザ当局者によると、2つの小児病院が「強制退去」の対象となり、患者が「路上に放置されている」と明らかにされました[^1^]。
病院への攻撃とトンネルの存在
ガザ地区はイスラエル軍とハマス(Hamas)が争っており、イスラエル軍は病院への意図的な攻撃を否定しています。しかし、ハマスは病院や地下にあるトンネルを潜伏先として利用していると主張しています。ハマス側はこれを否定しています[^1^]。
シファ病院にいた人々は、病院周辺で「激しい戦闘」が一晩中続いたとAFPの電話取材に答えたそうです[^1^]。
病院の機能停止と燃料供給の問題
シファ病院では、電力供給が途絶えたために保育器の乳児2人と人工呼吸器の男性1人が死亡しました。その後、さらに3人の乳児と6人の重体患者の死亡が確認されました[^1^]。世界保健機関(WHO)によれば、ガザの36病院のうち約20か所がもはや機能していないとのことです[^1^]。
一方、イスラエル軍の報道官は、病院側に必要な燃料が渡るのをハマスが妨害していると主張しています。しかし、シファ病院の院長は、イスラエル側の主張は「うそ」であり、軍が届けたという300リットルの燃料では、発電機は「25分」も稼働しないと証言しています[^1^]。
小児病院の強制退去と連絡途絶える医療従事者
ガザ市内にあるナスル(Al-Nasr)小児病院とランティシ(Rantisi)小児病院は強制退去の対象となり、病人が路上に放置され、治療を受けられない状況にあります。さらに、連絡が完全に途絶えているため、医療従事者との連絡も取れていないとのことです[^1^]。これについてイスラエル軍は、避難を可能にしたと発表しています[^1^]。
病院周辺に放置された遺体
シファ病院では、病院周辺や中庭に数十人の遺体が放置されていると報じられています。救急車の運転手はAFPの電話取材で、救急車で遺体を収容しようとしたところ、狙撃されたと語りました。保健当局は、埋葬を要請したが、シファ病院の中庭に出たら撃たれてしまうため、死傷者について公表することができないと述べました[^1^]。
この状況を重く見たいくつかの組織が、ガザ地区の医療状況の改善を求めて行動を起こしています。現地の医療従事者が一刻も早く燃料と医療物資を受け取れるよう、国際的な支援を促す必要があります。
この記事は、「日本ニュース24時間」が提供するものです。[^2^]
[^1^]: ガザ地区最大のシファ病院(中央)周辺の衛星画像。米宇宙技術会社マクサー・テクノロジーズ提供(2023年11月12日提供)。【翻訳編集】 AFPBB News
[^2^]: ソースリンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/7a6059ee261697ebd365337e9329bf4c93f2cc80