21歳のイギリス人女性を性暴力しただけじゃない…父親の“莫大な遺産”によって狂った「ルーシー・ブラックマン事件」犯人の末路(2000年の事件)


【閲覧注意…】バラバラに解体されたルーシーさん(21)、事件現場で抱き合う遺族たち…この事件の写真をすべて見る

「プールを造ったりして、何人もの白人の女性を連れ込んで、大声を出しながら遊んだりしだしてね。そのうち外車にも乗るようになって、まるっきり変わっちゃったね」

 近隣住民からの印象は「非常に真面目」「静かな子」だった少年は、どこで道を踏み外したのか…。性暴行ののち女性をバラバラにしたことで波紋を呼んだ、2000年の「ルーシー・ブラックマン事件」犯人・織原城二の来歴を、ノンフィクション作家の八木澤高明氏の新刊『 殺め家 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初から読む )

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小さい頃は「非常に真面目」「静かな子」

 近所に住む男性が言う。この街で織原は、誰にも差別されることなく静かに暮らし始めた。戦前の日本を代表する経済人渋沢栄一の提唱により開発がはじまった田園調布。今では政財界やスポーツ界での成功者が住む街となっている。そこに住めば、日本社会の中で認められた成功者であり、田園調布という聖域に属することによって、己の過去もすべて田園調布という衣で覆い隠すことができる。織原はこの街の住民となり日本人になったことによって、全てを手に入れた。富裕者としての禊をしたのだった。

 しかし、父親の死によって手に入れた莫大な遺産によって、少しずつ彼の人生の歯車は狂い出していく。

自宅に白人女性を連れ込んで…

 大学時代から生活が変わり始めたと近所の住民が言った。現在織原が暮らした家は取り壊され、その跡地には一軒の家が建ち、更にもう一軒の家が建築中だった。帝塚山、田園調布、そして外国人女性を連れ込んだ逗子マリーナ。そして数々の外車、傍から見れば人もうらやむような生活を送っていた織原。果たして何が犯罪へと走らせたのか。

 心の隙間を埋めるように夜な夜なクラブへ通い白人女性を追い求めた。いくら資産を持とうが、豪邸に住もうが、高級外車を乗り回そうが、織原受刑者は心の隙間を埋めることができず、女性に求めた。果たして織原が抱えていた心の闇はどんなものだったのか、己の出自に関するコンプレックスか、それとも富裕な財産でも満たされぬ果てなき人間の欲望がそうさせたのか、その答えを知る織原は、刑務所で罪と向き合っているのだろうか。

八木澤 高明,高木 瑞穂/Webオリジナル(外部転載)



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