創業者の週末ルーティンに見るセブンイレブンへの想い
近年、業績不振が囁かれるセブンイレブン。その創業者である鈴木敏文氏(91)は、経営には関わっていないとしながらも、今もなおセブンイレブンへの強い想いを持ち続けているようです。
週末になると、鈴木氏は自宅近くのセブンイレブンを訪れるのが日課となっています。この店舗は、近隣住民の間でも「店内が明るく清潔で、店員の対応も良い」と評判です。鈴木氏は、会長時代から続けているこのルーティンの中で、店内をくまなくチェックし、時には商品陳列や販売戦略についてアドバイスを送ることもあるそうです。
「以前より頻度は減りましたが、週末の昼前や夕刻になると、必ず来店されます。店内を隅々までチェックされ、『おでんと肉まんは夏季でも置いた方がいい』といった具体的なアドバイスをくださることもあります」(店舗スタッフ)
新商品よりも定番商品?鈴木氏の購買行動
近年のセブンイレブンは、店内で揚げたドーナツなど、新商品を積極的に投入し、新規顧客獲得に力を入れています。また、物価高の影響を受け、9月からは低価格路線も打ち出しました。しかし、鈴木氏はこれらの新しい試みにはあまり関心がないようです。
「長年親しまれてきた定番商品に愛着があるようです。新商品はほとんど購入されません」(前出・店舗スタッフ)
セルフレジ導入への戸惑い
消費者の間で賛否両論あるセルフレジ。多くの店舗では、店員が商品のバーコードを読み取り、利用者が会計操作を行う「セミセルフレジ」が導入されていますが、高齢者を中心に操作に戸惑う人も少なくありません。
鈴木氏もまた、セルフレジの操作に苦戦している一人です。
「セルフレジ導入は、人手不足解消や効率化という面では効果的かもしれませんが、『お客様目線』という点では疑問が残ります。特に高齢者の方にとっては、操作が複雑で分かりにくく、かえって不便に感じている方も多いのではないでしょうか」(流通アナリスト)
「お客様の立場で考えろ」の真意とは
おにぎりの販売からセブン銀行の設立まで、数々の革新的な試みを成功させてきた鈴木氏。「お客様のために考えるのではなく、お客様の立場で考えろ」という言葉は、セブンイレブンの企業理念として、社員たちに語り継がれてきました。
しかし、今回のセルフレジ導入は、本当に「お客様の立場」に立った上での決断だったのでしょうか。創業者の鈴木氏が、顧客満足度を重視してきたセブンイレブンが、変化の波の中で、どのように「お客様目線」を貫いていくのか、注目が集まります。