日産自動車は13日、2025年3月期の純損益が6708億円の赤字(前年は4266億円の黒字)だったと発表した。経営再建のために、国内外で七つの完成車工場を減らす。人員削減は、既に発表していた9千人から計2万人に広げる。四半世紀前に並ぶ、大規模リストラに踏み出す。
日産の赤字額としては、00年3月期(6843億円)、20年3月期(6712億円)に次ぐ3番目の規模となる。2万人の削減と多くの工場を閉じるのは、カルロス・ゴーン氏の主導で進められた再建計画「日産リバイバルプラン」以来となる。
日産は4月24日、25年3月期の業績予想を大幅に引き下げ、純損益の赤字が2月時点の予想から9倍に膨らんで7千億~7500億円になりそうだと発表していた。
25年3月期の売上高は前年比0.4%減の12兆6332億円、本業のもうけを示す営業利益は87.7%減の697億円だった。世界販売は2.8%減の334万台で、2年ぶりに減少した。
この日の説明会でイバン・エスピノーサ社長は、25年3月期時点で2千億円を超える営業赤字に陥った自動車事業を「26年度までに黒字化する」との目標を示した。
そのために、国内外で17ある完成車の工場を10に減らし、従来計画に1万1千人を追加して2万人を削減するなどして、24年度の実績比で固定費と変動費を計5千億円削る。エスピノーサ氏は「痛みを伴うが、いま手を打たなければ悪化するだけだ」と話した。削減する工場について「現時点では言えないが、(検討対象に)日本も含まれている」と述べた。国内の完成車工場は、子会社も含めて栃木、神奈川、福岡の3県に五つある。
朝日新聞社