広島市安佐南区の衝突転落事故、ダンプ運転手に危険運転致死傷容疑で逮捕状

広島市安佐南区で11月12日に発生した、ダンプカーと乗用車の衝突転落事故で、広島県警はダンプカー運転手の男(59)に対し、危険運転致死傷の疑いで逮捕状を取得しました。この事故では、乗用車に乗っていた夫婦が死亡、娘が重体、ダンプ運転手も重傷を負うという痛ましい結果となりました。

事故の概要と捜査の進展

事故は、片側1車線でループ状になった勾配の上り坂で発生しました。乗用車とダンプカーが正面衝突し、両車両とも斜面に転落しました。乗用車を運転していた80歳の男性と助手席の76歳の妻は頭を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認されました。後部座席に乗っていた49歳の娘は重体です。ダンプカーを運転していた59歳の男も腕を骨折する重傷を負い、現在入院中です。

衝突し斜面に転落したダンプカー衝突し斜面に転落したダンプカー

県警は、事故現場の状況や目撃者からの証言、そして乗用車に搭載されていたドライブレコーダーの映像を元に捜査を進めています。

ドライブレコーダーの映像が鍵に

捜査関係者によると、乗用車のドライブレコーダーには、事故直前のダンプカーの走行の様子が記録されていました。ループにさしかかる前の下りカーブで、ダンプカーは片側の車輪が浮いた状態で走行していたことが確認されています。また、ダンプカーが対向車線にはみ出す映像も残っており、県警はスピード超過により運転操作を誤ったことが事故原因とみて、危険運転致死傷容疑での立件に踏み切りました。

衝突し斜面に転落した乗用車衝突し斜面に転落した乗用車

自動車事故鑑定の専門家である山田一郎氏(仮名)は、「車輪が浮くほどのスピードでカーブに進入するのは非常に危険な行為です。ドライバーは速度と車両の重心移動を適切に制御する義務があり、今回の事故はそれが怠られた結果と言えるでしょう」と指摘しています。

今後の捜査と事故防止への意識

県警は、男の回復を待って逮捕し、事故当時の状況を詳しく調べる方針です。 今回の事故は、改めてスピードの出し過ぎや危険運転の重大なリスクを浮き彫りにしました。ドライバー一人ひとりが安全運転を心がけ、悲惨な事故を未然に防ぐ意識を持つことが重要です。