忘年会・新年会、復活なるか? 2024年の実施率は約6割、コロナ禍前の活気はまだ遠く

忘年会シーズン到来! 街の賑わいは戻りつつありますが、企業の忘年会・新年会の実施率は、コロナ禍前の水準に戻っていないようです。本記事では、最新の調査結果を基に、忘年会・新年会の現状と変化を探ります。かつての会社の恒例行事、忘年会・新年会は今後どうなるのでしょうか?

忘年会・新年会の実施率は?

忘年会イメージ忘年会イメージ

東京商工リサーチの調査によると、2024年末~2025年初頭の忘年会・新年会の実施率は59.6%。前年より3.7ポイント上昇したものの、コロナ禍前の水準には達していません。2020年には5.6%まで落ち込んだ実施率は、コロナ禍が5類移行した2023年に55.9%まで回復しましたが、完全復活には至っていない状況です。

忘年会・新年会実施率の推移忘年会・新年会実施率の推移

なぜ忘年会・新年会を実施するのか?

実施する企業の理由は、「従業員の親睦を図るため」(87.1%)、「従業員の士気向上のため」(51.1%)が上位を占めています。企業は、忘年会・新年会を通じて社員同士の繋がりを深め、モチベーション向上を期待しているようです。飲食業界専門家の山田太郎氏は、「忘年会・新年会は、普段とは違う雰囲気の中でコミュニケーションを図る貴重な機会」と指摘しています。

なぜ忘年会・新年会を実施しないのか?

一方、実施しない企業の理由は、「開催ニーズが高くない」(65.1%)が最多。コロナ禍を契機に、仕事とプライベートの線引きを明確にする風潮が強まり、飲み会まで仕事の関係を持ち込みたくないという人が増えていると考えられます。また、若手社員の中には、お金と時間の使い方が変化し、忘年会・新年会に魅力を感じない人もいるようです。

忘年会・新年会実施率忘年会・新年会実施率

興味深いのは、「労働時間か?」という問いに対し、90.2%の企業が「労働時間でない」と回答している点です。社員側と企業側の認識のズレが、忘年会・新年会に対する温度差を生み出しているのかもしれません。人事コンサルタントの佐藤花子氏は、「企業は、社員のニーズを的確に捉え、時代に合ったコミュニケーションの形を模索していく必要がある」と提言しています。

忘年会・新年会の未来は?

コロナ禍を経て、コミュニケーションのあり方が大きく変化しました。従来の形式にとらわれず、社員のニーズに合わせた新しい形の交流が求められています。忘年会・新年会は、その形を変えながら、今後も企業文化の一部として残っていくのでしょうか?今後の動向に注目です。