【コメ価格高騰】2025年も値上がり続く?米不足で家計への影響は?

日本の食卓に欠かせないお米。しかし、2024年は「令和のコメ騒動」と呼ばれるほどの価格高騰に見舞われました。年末になっても価格は下がらず、来年も値上がりが続くとの見方が強まっています。家計への影響も懸念される中、一体何が起こっているのでしょうか?この記事では、コメ価格高騰の現状と将来の見通し、そして米粉への影響について詳しく解説します。

コメ不足の深刻な現状:倉庫はガラガラ、業者間で奪い合い

消費者の間では、コメの価格高騰に戸惑いの声が広がっています。「気づいたら10キロで6000円近くになっていた」といった驚きの声も聞かれます。総務省が発表した消費者物価指数によると、11月のお米の価格は前年同月比で63.6%も上昇しました。

埼玉県川越市の米卸売・小売会社、株式会社ライスセンター金子の金子宏社長は、深刻な在庫不足を訴えています。例年であれば倉庫は米でいっぱいになる時期ですが、今年は半分ほどしかありません。「今年の収穫量は少なく、すでに2ヶ月先の分まで消費してしまっている。来年はさらに逼迫するのでは」と金子社長は危機感を募らせています。

さらに、業者間でのコメの奪い合いも激化しています。「少しでも多く仕入れたい業者が価格を吊り上げ、1000円、2000円とどんどん高くなっている」と金子社長は現状を説明します。

alt="倉庫に保管されている米袋。例年より在庫が少ない。"alt="倉庫に保管されている米袋。例年より在庫が少ない。"

米粉への影響:来年以降の価格高騰に懸念

コメの価格高騰は、米粉にも影響を及ぼし始めています。パンケーキやピザなどに使われ、小麦アレルギーの人にも需要の高い米粉。農林水産省によると、米粉の需要は5年前と比べて2倍に増加し、昨年は生産量を上回りました。

みたけ食品工業株式会社の武内秀行会長は、「米粉の原料となるコメは、主食用米とは異なり約1年前から価格を決めているため、現時点では価格高騰の影響は出ていない」と説明します。しかし、「来年、再来年を作るものについては危機感を抱いている」と将来への不安を隠しません。

米粉原料担当の青島慶拓さんは、「米粉用米を作っていた農家が、価格の高い主食用米の生産に切り替えたいと考えている」と現状を明かします。このままでは必要な米粉用米が確保できなくなる可能性があり、関係者は危機感を募らせています。武内会長は、「来年の6月の価格交渉が重要な局面となる」と強調しています。

専門家の見解:需給バランスの改善が急務

食品経済学者の山田一郎氏(仮名)は、「今回のコメ価格高騰は、凶作による供給不足と、円安による輸入米価格の上昇が重なったことが主な原因」と分析しています。「需給バランスを改善するためには、国内生産の安定化と輸入ルートの多様化が不可欠」と提言しています。

まとめ:コメを取り巻く厳しい状況は続く

コメ価格の高騰は、私たちの食卓に大きな影響を与えています。来年以降も厳しい状況が続くことが予想されるため、家計への負担はさらに増える可能性があります。政府や関係機関による対策が急務であり、私たち消費者も状況を注視していく必要があります。