2024年も多くのドラマが放送されました。年間100本近くのドラマをチェックするアラフォー女性の筆者。今回“地上波”で放送された作品のなかから勝手に選んだ“今年よかったドラマ10選”をご紹介します。ここからは後編、5位~1位です。
5位:海に眠るダイヤモンド
秋ドラマで印象的だったのが、日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)。大ヒット作を生み出し続ける脚本家・野木亜紀子氏と、監督・塚原あゆ子氏のタッグが、またも心に残る傑作を生み出してくれました。
“何もないけれど夢と活力に満ちあふれた”戦後の長崎県・端島と、“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない”現代の東京を、神木隆之介の一人二役を通して対比させる構成が絶巧。入念に描かれた点と点が繋がっていくサスペンス的要素も織り交ぜながら、視聴者を引き込んでいきました。
何より端島編では、日曜劇場らしい壮大な映像美とともに、神木隆之介、杉咲花、土屋太鳳、池田エライザ、清水尋也、斎藤工らの豊かな心情表現が眩しかったです。特に神木隆之介と杉咲花のカップルは、いつまでも観ていたくなるほど愛おしかった! 過去、現在、そして未来へと繋がる人間ドラマを、凄まじいクオリティで見せてもらいました。
4位:ライオンの隠れ家
『ライオンの隠れ家』(TBS系)は、毎話“ほっこり”と“ザワザワ”が錯綜しながら、主人公たちを全力で応援した作品でした。市役所で真面目に働く兄(柳楽優弥)と、自閉スペクトラム症の弟(坂東龍汰)のところに、「ライオン」と名乗る謎の男の子(佐藤大空)が突如現れ、事件に巻き込まれていく物語。
まず兄弟が、不穏な空気を感じながらも懸命にライオンを守ろうとする姿が、とにかく“ほっこり”して尊かったです。ふたりの人間像と関係性を実に解像度高く表現した柳楽優弥×坂東龍汰、そしてスーパー子役・佐藤大空には、大きな拍手を送りたい!
また対照的に“ザワザワ”パートを、岡山天音、尾野真千子、向井理、桜井ユキらによる確かな演技で表現している点も秀逸でした。病気や障害のある兄弟姉妹がいる「きょうだい児」、そして「ヤングケアラー」「虐待・DV」などの社会問題に切り込みながらも、登場人物たち一人ひとりの葛藤や心情を丁寧に描いた、まさに“心震えるヒューマンサスペンス”でした。