年末年始やお盆の長期休みは、実家に帰省するという家庭も少なくない。自分の実家であれば気兼ねなく過ごせるが、配偶者の実家(義実家)に帰省している最中は気を遣いすぎて疲労困憊。それどころか、義理の両親との価値観や性格の不一致により、ただ不快なイベントになってしまうことも……。そうした義実家での実例を紹介する。(全2回の1回目/ 後編 に続く)
【画像】義実家へ行ったときの鍋料理が苦痛になったワケとは「各自、鍋の食材を自分のとんすい(小鉢)に取り分けて食べていると…」
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義実家のマナーに衝撃を受けた経験
生活のルールや習慣は、家の数だけ存在する。その事実は頭で理解しているつもりでも、義実家に行き、自分の価値観や当たり前だと思っているマナーとのギャップに衝撃を受けた経験がある人もいるだろう。
「義実家では、元旦に使った『祝い箸』をまとめて洗い、その日の夕食にも使用する。自分の家族が使った箸ならば気にならないが、義理の両親の箸は使いたくない……。今年は率先して皿洗いを申し出て、自分の箸をよけておく計画を立てたが『皿洗いはしなくても大丈夫! 座ってて!』と、義母に箸をさらわれてしまった」(34歳)
「義実家へ行った際、鍋を作ってくれた。各自、鍋の食材を自分のとんすい(小鉢)に取り分けて食べていると、義両親が自分のとんすいに残った汁を鍋に戻しているのを目撃して苦痛になり食べるのをやめた」(29歳)
「私にとっては常軌を逸した汚さ」
取材を進めると、“衛生観念のズレ”を義両親に伝えるのは難しく、モヤモヤする……という意見が多くあがった。都内に住む小山未華子さん(仮名・46歳)も、頭を悩ませるひとり。
「義理の両親が住んでいる家が、私にとっては常軌を逸した汚さなんです。なんでもかんでも床に放置する習慣があり、空のペットボトルはもちろん、野菜や果物が散乱していて、そのうちいくつかは腐っています。上着は脱いだらそのまま床に置きっぱなし。部屋着はソファの下でホコリまみれ。コロナ禍は『使用済みマスク』も加わって、かなり混沌とした状況でした」
モノが床にあふれている一方で、蓋のない急須をずっと使っていたり、掃除機のノズルをなくしたまま使っていたりと「不要なモノはたくさんあるのに、必要なモノがない不思議な家」と、小山さんは首を傾げる。