近頃、世界中で生成AIの活用が急速に広まっています。メール作成や文章校正、転職活動の志望動機作成など、様々な場面で私たちの生活に浸透しつつあります。そんな中、中国企業が開発した生成AI「DeepSeek（ディープシーク）」が、その低コストと高性能で世界に衝撃を与えています。
DeepSeekとは？その驚異的な性能と低コスト
DeepSeekは、アプリランキングでChatGPTを抑え1位を獲得するなど、世界的な注目を集めています。日本だけでなく、中国やアメリカでもダウンロードランキング首位を記録しているというから驚きです。その人気の秘密は、低コストでありながらChatGPTに匹敵する高性能を実現している点にあります。
DeepSeekのアプリランキング画面
例えば、「news zero」について尋ねると、「従来の堅いニュース番組とは異なるスタイルで、若い世代にとってニュースを身近なものにする役割を果たしています」と、自然な日本語で回答します。東京大学大学院の松尾豊教授（仮称）は、「DeepSeekはOpenAIのChatGPTとほぼ同等の非常に高い機能を備えており、特に推論性能において高いレベルにある」と評価しています。
米メディアによると、DeepSeekの開発費用は約560万ドル（約8億7000万円）と、OpenAIの約10分の1。研究者数も約140人と、OpenAIの1000人超と比較して圧倒的に少ない人数で開発されたといいます。これは驚異的なコストパフォーマンスと言えるでしょう。
中国のタブー「天安門事件」への言及は拒否
DeepSeekの性能の高さが際立つ一方で、中国における言論統制の影響も垣間見えます。例えば、「天安門事件」について質問すると、「この質問には回答できないので話題を変えてください」と表示され、回答を拒否します。これは、中国政府にとってデリケートな話題への言及を避けるための措置と考えられます。
天安門事件の画像
この事実は、AI技術の進歩と同時に、情報統制の課題も浮き彫りにしています。AIが社会に与える影響はますます大きくなっており、倫理的な側面についても議論が必要となるでしょう。
DeepSeekの今後の展望
DeepSeekの登場は、生成AI市場における競争を激化させる可能性を秘めています。低コストで高性能なAIの開発は、より多くの人々がAI技術を利用できるようになることを意味し、様々な分野でのイノベーションを促進する可能性があります。今後のDeepSeekの発展、そしてそれが社会にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要があります。
